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MI:Minimal Intervention Dentistry ミニマルインターベンションとは【歯科用語コラム】

2021年7月17日(土)

MI:Minimal Intervention Dentistry ミニマルインターベンションとは

ミニマルインターベンション(Minimal Intervention)の略。
健康な歯を可能な限り維持し、う蝕を管理するというコンセプト。
う蝕治療における『最小の侵襲』を指す場合もある。

MI:Minimal Interventionという言葉は今から20年以上前に起こりました。
2000年FDI:国際歯科連盟において、窩洞形成に至らないう蝕は再石灰化により治癒が可能であること基づき、それまでのう蝕処置の基本であったG.V.Black博士による予防拡大の見直しを提言したものでした。
その2年後、FDI世界会議の総会において、MIによるう蝕管理に関する公式声明【FDI STATEMENT: Minimal Intervention in the Management of Dental Caries】として、以下の内容があらためて採択されました。

1. Modification of the oral flora:口腔内細菌叢の変容
2. Patient education:患者教育
3. Remineralisation of non-cavitated lesions of enamel and dentine:エナメル質及び象牙質における非う窩性病変の再石灰化
4. Minimal operative intervention of cavitated lesions:う窩性病変への最小の侵襲による修復処置
5. Repair of defective restorations:不良修復物のリペア 

この5項目は、最小の侵襲という直訳的なう蝕処置に限定されず、予防も含めてう蝕を管理するという広義の概念を示しています。
MI Dentistryの目的は、可能な限り健康な歯の構造を維持し、歯を一生機能させることです。
平均余命が着実に伸び、人生百年と言われる現代において、これはますます重要な考え方となっていくでしょう。
以下、Doctorbook academyの動画から、関連性の高いものをいくつかご紹介いたします。

MI:Minimal Intervention Dentistry ミニマルインターベンションについて学ぶ

1
塚本 千草先生:【Education Library】う蝕の発生機序について
細菌叢の変容に関連して、ミュータンス連鎖球菌によるカリエス発生機序を今一度おさらいできる動画です。
歯科衛生士向けに公開された動画ではありますが、歯科医師にも必携の知識が簡潔にまとめられています。
模式的に示された脱灰や再石灰化の様子はわかりやすく、患者教育の教材としても応用いただける動画です。

動画を観る


2
加藤大明先生:メンテナンスで良い結果を得るために大切なこと
Part1では関連論文を元に、メンテナンスのもたらすう蝕予防効果や、メンテナンス継続を患者に促すポイントについて解説されています。
Part2ではPMTCやポリッシング、TBIなど具体的なメンテナンスの内容とその効果について考察されています。
患者の行動変容に発展するようなメンテナンス提供として、歯科衛生士による口腔衛生指導の重要さを確認できる動画となっています。

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3
青島 徹児先生:ダイレクトボンディング~スロットテクニック~
C1~C2う蝕に対する最小限の侵襲に関する、いわゆるMIに関連する動画は、Doctorbook academy内でも様々な先生方の症例やテクニックがご覧いただけます。
その中でも、青島先生の動画では隣接面窩洞へのソニックフレックスを用いた切削テクニック、セパレーターを用いた歯冠離開方法などが紹介されています。
辺縁隆線の保存が可能な場合、連続窩洞にせず別々に形成・充填することは歯の構造に即した、まさに最小限の侵襲といえるテクニックをご紹介いただいております。

動画を観る


7
吉木 雄一朗先生:MIを考慮した、接着修復治療のポイント
吉木先生の動画では接着修復の審美的、また機能的な成功をもたらすポイントが確認できます。
Part1ではディスカラレーションやフラクチャーなど接着修復で起こりやすいトラブルの原因と、それを防ぐために吉木先生のクリニックで実際に行われている対策が紹介されています。
歯の寿命を最大限に生かすよう、将来的な再修復の可能性を十分考慮した実際のMI症例が、臨床手順に沿って確認できます
Part2以降は、応用的な方法として、印象前に形成象牙質に対してボンディング処理と辺縁エナメル質に研磨を行うIDS(Immediate Dentin Sealing)、セラミック接着時に温めたコンポジットレジンを使用するHART(Heated Adhesive resin technique)のメリットと実際の手法が、実際の症例画像と共に示されています。
その他、歯質切削前にファイナルイメージを患者に提案出来るシミュレーションソフトウェアや、デジタルスキャンなど、様々な最新技術を用いられた全顎症例を複数ご紹介いただきました。

動画を観る

2002年にFDIが採択したMIによるう蝕管理に関する公式声明は、う蝕を発生させない、悪化させない、という予防的な要素を大いに含んだ声明でありました。
MID実践のためには、歯科医師の臨床技術だけでなく、メンテナンスや患者教育に対し大きな役割を担う歯科衛生士、そして、毎日自分の歯を管理する患者さん自身の力が不可欠です。
歯科医師、歯科衛生士、患者が三者一体となって、口腔環境悪化のリスクであるう蝕を管理する一助として、Doctorbook academyの動画をぜひご活用ください。


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