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【4年間退職者ゼロ!】 歯科衛生士が辞めない本当の環境づくりとは?

2019年4月22日(月)

 


目次


4年間退職者ゼロ!ハルデンタルオフィスを取材しました 


信頼して任せる、担当衛生士制でモチベーションアップ!


担当衛生士制を実現するための秘訣は「理念の共有」


採用のときに重視するのは “人が好きかどうか”


編集後記


 


 


4年間退職者ゼロ!ハルデンタルオフィスを取材しました


今回の「スタッフボイス」は、東京都中央区にある三越前駅小伝馬町歯科ハルデンタルオフィス(以下、ハルデンタルオフィス)にて取材を行いました。


 


歯科医院の運営に必要不可欠な歯科衛生士。予防中心の需要が高まり、1人の歯科医師に対し 2人以上の歯科衛生士が望ましいとされています。しかし、多くの医院が人材確保に並々ならぬ苦労をしています。


 


企業も医療機関も同じですが、人材確保で大事なのは「採用した人が辞めない仕組みつくり」です。いい人材を採用できても、すぐに辞められてしまっては元も子もありません。


 


では、頼れる仲間として長く一緒に働いてもらうためには何が必要なのでしょうか。今回のコラムでは、「4年間の退職者がゼロ」を実現しているハルデンタルオフィスの事例から、「歯科衛生士が辞めない環境作り」のハウツーを紹介します。


 


信頼して任せる、担当衛生士制でモチベーションアップ!


 


「ハルデンタルオフィスでは、7名の歯科衛生士が仲間として働いてくれています。4年間、誰一人として辞めたスタッフがいないことは誇れることです」

金村院長はそう胸を張ります。金村院長が常に心がけているのは、「プロフェッショナル集団としてチーム一丸となり、患者さんに感謝される医院になる」ということ。


 


そのための施策の一つが担当衛生士制です。初診のコンサルに入った歯科衛生士がその患者さんの担当になり、基本的には自己の判断で継続的・全面的にサポートしていきます。例えば、患者さん個人個人に合った歯ブラシやデンタルフロスの使い方から、どこの歯が汚れているのか、どう磨けばいいのか等の基本もしっかりと伝えます。



担当衛生士制について歯科衛生士の皆さんに聞いてみると、「先生が自分たちを信頼して、最初から任せてくれる。そこにとてもやりがいを感じる」といいます。


多くのクリニックでは、院長先生からの指示で仕事を進めることが多いですが、ハルデンタルオフィスでは、歯科衛生士自身が患者さん個々に合った指導やスケーリングを自分の頭で考えて進めていきます。ここには、「それぞれがプロフェッショナルとして考え行動して欲しい」という金村院長の想いがあります。


 


自分で判断するためには、要望や意見をじっくり聞いたり、表情から心情を読み取ったりと、しっかりと患者さんと向き合う必要があります。その結果として、今では「●●さんにお願いしたい」と、指名で予約を入れる患者さんも多いそう。「患者さんから信頼してもらえるのは、やりがいにつながっています。最初は表情が硬かった患者さんが笑顔になっていくのを見るのは本当に嬉しいです」と語る歯科衛生士さんも。


患者さんからの信頼も歯科衛生士の高いモチベーションの源泉となっているのです。



担当衛生士制は、


「信頼して任せてもらえる」 → 「熱意とやりがいが高まる」 → 「患者さんに評価してもらえる」 → 「さらにモチベーションがアップ」


という好循環を生み出す1つのキーワードなのだと分かります。


 


担当衛生士制を実現するための秘訣は「理念の共有」


そもそも、金村院長が担当制を導入したきっかけは、“ 全身の健康維持には口腔環境をきれいにすることが重要 ” ということを患者さんに伝えたかったからだと話します。約4年前に、近代歯科医学をアメリカで広めたパンキー先生の哲学を学んだことで、自分の歯科医師人生を、来院される皆様のオーラルヘルスケア向上にささげようと決心したのです。



金村院長はまず、自分が理想とする予防歯科医療を提供するためには、歯科衛生士が患者とじっくり向き合える環境が必要だと考えました。それをかなえるためには、歯の磨き方からメンテナンスまで全て同じ衛生士制が担当する、「患者さんに生涯寄り添う担当衛生士制度」が最適だったといいます。


 


しかし、すべてが順風満帆に進んだわけではありません。診療所のスタイルを治療メインから予防歯科重視へ舵を切ったことで、退職するスタッフが出てきてしまったのです。運営方針についてこられないスタッフが出てきてしまうのは想定していたことでしたが、運営を継続していくには、人材育成のあり方を見直す必要がありました。


 


そこで金村院長が真っ先に着手したのが、徹底的な理念の共有です。現在のハルデンタルオフィスでは、新たに採用されたスタッフにはまず、金村院長の経営哲学、つまり「全ては患者さんのため、自分の成長のため、医院の発展のため」という仕事に対する考え方を徹底的に理解してもらうといいます。


 


金村院長はこういいます。
「技術的なことは経験を積めばいくらでもうまくなります。ですから当院の教育で根本的に重視しているのは、技術的な向上よりも、プロとしてどういう哲学をもって振舞うか?ということです」 


 


ハルデンタルオフィスでは、スタッフ全員が“プロとしてどのように成長するか、どのような社会人になるのか”ということを明確にしています。自分の将来的な人生設計の中で、「まさに今、自分が全力ですべきことは何か」を全員がわかっているのです。


 


もちろん、ハルデンタルオフィスにはOJT体制も整っていますが、この理念共有のステップを踏むことが、信頼して任せるに足る歯科衛生士を育てる鍵なのです。


 


採用のときに重視するのは “人が好きかどうか”


 担当衛生士制で運用していくと決めたら、どのような人材を採用すればいいのでしょうか。


「僕が求めている人材は “ 人が好きで勉強が好き ” という人です」金村院長はそう断言します。「病気の方を相手にする職業である以上、“人が嫌いです” ではそもそも仕事を進めていくことが難しいでしょう。それに、勉強が嫌いでは本人の成長もままならない」



金村院長は、スタッフのためにスキルアップの機会も豊富に用意しています。2ヶ月に1回のペースで外部講師を招き、スケーリングの仕方やフロッシング指導のブラッシュアップを行っているほか、歯科哲学に関連する勉強会への出席も可能です。ハルデンタルオフィスのスタッフは、こういった機会を「自分の成長のチャンス」と捉えて貪欲に取り入れていけるような人材だといいます。


 


金村院長は繰り返します。「歯科医師も歯科衛生士も、国から資格を与えられたプロフェッショナルです。プロフェッショナルな1人の人間としてどのような心構えを持つべきか、という自分自身の哲学があって初めて自己を高められると思っています」


 


そして最後に笑顔でつけ加えました。「幸いにして当院のスタッフは皆、僕が思い描く本当のプロです。彼らがあってこその当院であり、皆にいつも、心から感謝しています」


 


 


編集後記


ハルデンタルオフィスのキーワードは「信頼」ではないでしょうか。歯科衛生士の皆さんは、院長から信頼されて仕事を任せられており、その結果として、患者さんからも多大な信頼を得ているのです。


人は信頼されると、それに応えようとするものです。かくいう自分も、上司から「これは君に任せた!」と言われると俄然「信頼して任せてくれた期待に応えるぞ!」と試行錯誤しながらも1,000%のパワーが出てしまうのです。


ハルデンタルオフィスの場合は、担当衛生士がそのきっかけとなりました。働く皆さんの表情もイキイキとして笑顔が絶えず、次に歯のクリーニングをするならこちらのクリニックがいいなーと、同院の予約表をチラチラと見ている最近なのです。


 


 


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