歯の外傷に対する診査内容および外傷歯の分類 #2
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*2022年3月31日にLIVE配信されたクリニカルカンファレンスの講演内容です。
前回に続き、外傷で来院された時の「診査」についてお話いただきます。
外傷の当日は正確な診断が難しく、またさらにダメージを与えるような診査は行えない場合もあるでしょう。
そのような時に若月先生はどうされていらっしゃるのでしょうか。
打診や他の細かい診査はせず、視診・動揺・レントゲン写真、必要があれば照射器での亀裂の確認までに留めておられるそうです。
診査では、破折・転位・動揺について見逃すことがないようにひとつずつ順に見ていきます。
例えばオトガイを強く打った時などは、臼歯部の機能咬頭が欠けたりすることもあるため、臼歯部まで確認します。
また上顎であれば下顎、下顎であれば上顎と患部以外のところも忘れずに見ることが大切です。
特に小児の場合は交換期でもあるため、それによるものなのか動揺かについてはしっかり確認する必要があります。
続いてデンタルX線写真撮影についてです。
ユニットでの診察同様、母親が抱っこする形から横になってもらいますが、この時必ず妊娠の可能性がないか確認します。
もしその可能性があるようであれば、スタッフと交代するなどの対応も必要です。
お子様が上手にデンタル撮影できるようであれば、インジケーターを利用すると後々経過を追う時に見易くなるでしょう。
動画内で若月先生はデンタル写真で根尖病変と間違えやすい部分など、解剖学についてもご説明くださっています。
また歯ブラシ事故への対応や、保護者への指導内容も参考にしていただけるでしょう。
本動画では日本外傷歯学会による「外傷の分類」についてもご紹介されています。
しかし若月先生は、それよりも実際の流れを把握しておくことが大切だとおっしゃいます。
分類は大きく分けて「破折」と「脱臼」に分けられます。
「破折」は歯冠破折3つと歯根破折2つの5種類で「脱臼」は6種類の計11種類です。
中でも乳歯で多く見られるのは、小児歯科学会の調査によると「動揺や振盪」永久歯では「破折」だとわかっています。
この時注意していただきたいのは、診断名はひとつではなく複数つくことも多いということです。
さらに顎骨骨折がある場合は、口腔外科などのある病院へ紹介することになるでしょう。
その場合も、開口障害・歯列や咬合の異常・歯列弓のステップ・正中のずれ・開口時の下顎偏位などについては確認しておきます。
ここまで来てようやく、それぞれの外傷に対する治療に入ります。
最初に紹介するのは、Aしか萌出しておらず、固定ができないためにシーネを縫い付けた症例です。
次回の動画に続きます。
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