Doctorbook academy

スペシャル
2022年10月27日(木) 公開

外傷歯の治療および使用器材2ー脱臼 #4

価格
2,750円〜(税込) (D+会員 2,200円〜(税込))
付与ポイント
1% (通常:25pt〜 D+会員:20pt〜)
  • クレジットカード
  • Amazon Pay
    • 00:12 〜 脱臼
    • 01:08 〜 【症例】左上A 側方脱臼 口蓋側に転位
    • 01:21 〜 【模型デモ】左上A 脱臼の転位の術式 a.浸麻、清掃
    • 02:04 〜 b.整復
    • 03:15 〜 c.固定ー4つの方法を紹介
    • 08:39 〜 シーネの作製と固定
    • 10:18 〜 固定に必要な器材の例(固定セット)
    • 11:06 〜 【症例】1歳5ヶ月 男の子 左下Bの切縁に軽度の破折 陥入や転位の疑い
    • 14:10 〜 陥入
    • 15:25 〜 「根の完成度と歯髄壊死を起こす確率の研究」(Andreasen:2006)
    • 16:20 〜 【症例】2歳5ヶ月 男の子 右上A左上A 3/4ほど陥入
    • 17:16 〜 完全脱臼
    • 17:40 〜 【症例】1歳10ヶ月 男の子 右上A 完全脱臼
    • 18:24 〜 歯根膜の乾燥時間と生存率
  • *2022年3月31日にLIVE配信されたクリニカルカンファレンスの講演内容です。


    ここからは「脱臼」の治療について若月先生に解説いただきます。
     
    まず震蘯の場合は安静に、硬いものを避けてもらい経過観察をします。
    側方脱臼と転位の場合は、浸麻して整復後に固定し10〜14日ほど様子を見ます。
    亜脱臼に関しては固定は不要とされていますが、お子様の場合はいじってしまうでしょう。
    そのため若月先生は、基本的に固定をするようにしているとおっしゃっています。
     
    例えば左上Aの側方脱臼で口蓋側変位している症例では浸麻後に整復して固定になりますが、このようなケースは多いでしょう。
    本動画ではこのような場合の術式を、模型を用いたデモで説明いただいています。
    最初に「手指での整復」や「ヘーベル・鉗子などの器具を用いた整復」の注意点に注目してみてください。
    続いての「固定」を若月先生は、症例に合わせ4つの材料から選択して行っているそうです。
    この4つの材料とは「矯正用ワイヤー・角ワイヤー・ファイバーのリボン・シーネ」で、それぞれ解説いただいています。
    接着に使用する製品や5分で固まるGCのShake Mix STONE、シーネの作製方法についても紹介があります。
    固定セットの内容も動画内にあるため、先生方の臨床にもすぐに取り入れていただけるでしょう。
     
    ここで1歳5ヶ月の男の子、左下Bの切縁に軽度の破折があり陥入や転位の疑いのあるケースをご紹介します。
    萌出途中なのか、陥入や転位なのか診断しにくいような状況です。
    このような場合はレントゲン写真や、保護者の記憶・スマートフォンの写真などから外傷前の状態を確認すると良いでしょう。
     
    次に陥入です。
    陥入は骨も根尖も損傷するため、他の転位を伴う脱臼よりも予後が悪くなります。
    乳歯や根未完成歯であれば、歯髄の治癒力と再萌出に期待して経過観察とし、必要に応じて矯正を行います。
    歯髄壊死の兆候が見られる場合は、根管治療が必要でしょう。
    反対に根完成している場合は、整復して6週間固定し10日後に根管治療となります。
    プラークが中に入り込み歯肉が炎症を起こしやすいため、良く磨いてもらう他にうがい薬を使用してもらうこともあります。
     
    続いて2歳5ヶ月の男の子、右上A左上Aが3/4ほど陥入してしまった症例です。
    ガイドライン通り萌出してくるまで経過観察しますが、強い吸指癖があるためマウスガードを作製し就寝時に装着してもらいました。
    ある程度萌出してきたところで止まりましたが、矯正を希望されなかったためそこで経過観察となりました。
     
    最後に完全脱臼の場合ですが、整復して10〜14日間固定し、根完成歯は歯髄壊死を起こすため10日後に根管治療をします。
    ガイドラインで乳歯の場合は「永久歯を損傷させる危険性がある時は再植しない」とされています。
    しかし若月先生は、抜けて間もない・歯根膜の生存の可能性があるなど条件が良い時には戻すようにしているそうです。
    完全脱臼に関しては、この「歯根膜の生存」が予後の全てを決めると先生はおっしゃっておられました。
     
    歯根膜の乾燥時間と生存率は18分で70%、60分では21%ほどというデータがあります。
    そのため脱落した歯芽は保存液や牛乳に浸けて乾燥させないようにしなければなりません。
    何もしないと生存時間は30分ですが、若月先生がお勧めされている保存液では24時間以上の生存が可能だそうです。
    牛乳の生存時間は6時間とされていますが、脱落後の状態を維持できるわけではなく、時間の経過とともに歯根膜は死んでいきます。
    このことからも早く来院してもらい、早急に処置をすることの重要性がおわかりいただけるのではないでしょうか。

Doctorbook academy

本サイトは、歯科医療に従事されている皆さまを対象に情報提供するサイトです。

あなたは歯科医療従事者ですか?
※一般の方は患者向けサイトDoctorbook をご覧ください


Facebook ログインの確認

Doctorbook academy は Facebook ログインをサポートします。

Facebook アカウントより必要な情報を取得します。
許可する場合、YES を押して Facebook 連携に進んでください。 誤って Facebook ログインを選んだ場合は NO を押してください。