顎運動とは何か?
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日常臨床で顎運動を考慮して、診療に取り組んでいるでしょうか。
咬合調整などで最も重要な考え方の一つですが、なかなかイメージしづらい先生方も多いかと思います。
相宮先生による講義は、難しい印象のある顎運動がより身近に感じてもらえる内容となっています。
特に今回は可視化と数値化の観点から、より取り組みやすい内容です。
歯の欠損が長期間に渡った場合、顎関節の運動に悪影響及ぼすことがあります。
顎運動を理解するには、解剖学的構造と生理的要素の調和を考慮することが大切でしょう。
中でも下顎運動が重要です。
下顎運動は基本運動と機能運動に大別され、基本運動は開閉口や側方、前方運動が含まれます。
この下顎運動を診査・診断を下し、補綴装置に反映させることが最重要です。
実際の3症例を見ながら、その勘所について理解を深めていきましょう。【関連用語集】
1. 顎運動 (Jaw Movements): 顎の動きを指し、開閉運動や左右運動などが含まれます。顎運動は咬合の調整や機能的な評価に重要です。
2. 咬合調整 (Occlusal Adjustment): 咬合面の形態を調整することで、より効率的な快適な噛み合わせを実現します。
3. 歯の欠損 (Tooth Loss): 一つ以上の歯がなくなる状態。歯の欠損は咬合に影響を及ぼし、補綴治療が必要になることがあります。
4. 下顎運動 (Mandibular Movements): 下顎の動きを指し、咬合分析や顎関節の機能評価に用いられます。
5. 基本運動 (Basic Movements): 顎関節の基本的な動きを指し、健康な咬合機能の評価に重要です。
6. 機能運動 (Functional Movements): 食事や話すときなどの日常生活での顎の動きを指します。
7. 補綴装置 (Prosthodontic Devices): 欠損歯を補うための装置で、ブリッジや義歯などがあります。
8. 義歯 (Dentures): 歯の欠損を補うために使用される取り外し可能な補綴装置です。
9. 骨格的リスク (Skeletal Risk): 顎骨の異常や問題が咬合や顔貌に影響を与えるリスクを指します。
10. インプラント治療 (Dental Implants): 欠損歯を補うために顎骨に埋め込む人工歯根の治療です。
11. 咬合高径 (Occlusal Vertical Dimension): 上下の顎が閉じた時の咬合面の高さを指します。
12. 咬合平面 (Occlusal Plane): 上下の咬合面が形成する平面を指し、咬合調整の基準となります。
13. アンテリアガイダンス (Anterior Guidance): 前歯が咬合において果たすガイド役のこと。適切な前歯の位置や形態は、健康な咬合に不可欠です。
14. フェイスボウトランスファー (Facebow Transfer): 顎関節の位置と咬合面の関係を正確に記録し、補綴物の製作に使用される技術です。
15. erosion: 歯のエナメル質が酸によって溶解すること。食事や飲料、胃酸の逆流などが原因で起こります。
16. 骨格的3級症例 (Skeletal Class III Case): 下顎が上顎に比べて前方に位置する顎の骨格的特徴。この状態は、咬合の調整や外科的治療が必要になることがあります。
17. ベネット運動 (Bennett Movement): 下顎の側方運動に関連する特定の動き。下顎が一方向に動く際に、反対側の下顎の側方運動を指します。この動きは、顎関節の機能測定や咬合面の設計、補綴治療計画において重要な要素です。例えば、右側に下顎を動かす際、左側の下顎も少し外側に動くという動きがベネット運動です。歯の接触関係や顎関節の健康に直接関係しており、特に咬合調整や欠損補綴、義歯の設計等において重要な考慮点となります。
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