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顎運動診断を補綴臨床に取り入れる - 顎運動Forum. (全18回)

顎運動は機能回復に重要な因子ですが、苦手意識を持つ先生も多いです。 本プログラムでは顎運動を補綴臨床に取り入れている先生方のプレゼンを通して、顎運動の見方・治療への活用法について学ぶことができます。

  • 顎運動とは何か? 18:22

    日常臨床で顎運動を考慮して、診療に取り組んでいるでしょうか。
    咬合調整などで最も重要な考え方の一つですが、なかなかイメージしづらい先生方も多いかと思います。
    相宮先生による講義は、難しい印象のある顎運動がより身近に感じてもらえる内容となっています。
    特に今回は可視化と数値化の観点から、より取り組みやすい内容です。

    歯の欠損が長期間に渡った場合、顎関節の運動に悪影響及ぼすことがあります。
    顎運動を理解するには、解剖学的構造と生理的要素の調和を考慮することが大切でしょう。
    中でも下顎運動が重要です。
    下顎運動は基本運動と機能運動に大別され、基本運動は開閉口や側方、前方運動が含まれます。
    この下顎運動を診査・診断を下し、補綴装置に反映させることが最重要です。
    実際の3症例を見ながら、その勘所について理解を深めていきましょう。


    【関連用語集】

    1. 顎運動 (Jaw Movements): 顎の動きを指し、開閉運動や左右運動などが含まれます。顎運動は咬合の調整や機能的な評価に重要です。
    2. 咬合調整 (Occlusal Adjustment): 咬合面の形態を調整することで、より効率的な快適な噛み合わせを実現します。
    3. 歯の欠損 (Tooth Loss): 一つ以上の歯がなくなる状態。歯の欠損は咬合に影響を及ぼし、補綴治療が必要になることがあります。
    4. 下顎運動 (Mandibular Movements): 下顎の動きを指し、咬合分析や顎関節の機能評価に用いられます。
    5. 基本運動 (Basic Movements): 顎関節の基本的な動きを指し、健康な咬合機能の評価に重要です。
    6. 機能運動 (Functional Movements): 食事や話すときなどの日常生活での顎の動きを指します。
    7. 補綴装置 (Prosthodontic Devices): 欠損歯を補うための装置で、ブリッジや義歯などがあります。
    8. 義歯 (Dentures): 歯の欠損を補うために使用される取り外し可能な補綴装置です。
    9. 骨格的リスク (Skeletal Risk): 顎骨の異常や問題が咬合や顔貌に影響を与えるリスクを指します。
    10. インプラント治療 (Dental Implants): 欠損歯を補うために顎骨に埋め込む人工歯根の治療です。
    11. 咬合高径 (Occlusal Vertical Dimension): 上下の顎が閉じた時の咬合面の高さを指します。
    12. 咬合平面 (Occlusal Plane): 上下の咬合面が形成する平面を指し、咬合調整の基準となります。
    13. アンテリアガイダンス (Anterior Guidance): 前歯が咬合において果たすガイド役のこと。適切な前歯の位置や形態は、健康な咬合に不可欠です。
    14. フェイスボウトランスファー (Facebow Transfer): 顎関節の位置と咬合面の関係を正確に記録し、補綴物の製作に使用される技術です。
    15. erosion: 歯のエナメル質が酸によって溶解すること。食事や飲料、胃酸の逆流などが原因で起こります。
    16. 骨格的3級症例 (Skeletal Class III Case): 下顎が上顎に比べて前方に位置する顎の骨格的特徴。この状態は、咬合の調整や外科的治療が必要になることがあります。
    17. ベネット運動 (Bennett Movement): 下顎の側方運動に関連する特定の動き。下顎が一方向に動く際に、反対側の下顎の側方運動を指します。この動きは、顎関節の機能測定や咬合面の設計、補綴治療計画において重要な要素です。例えば、右側に下顎を動かす際、左側の下顎も少し外側に動くという動きがベネット運動です。歯の接触関係や顎関節の健康に直接関係しており、特に咬合調整や欠損補綴、義歯の設計等において重要な考慮点となります。

  • 実症例から見る顎運動の治療活用│1.歯冠形態によるアプローチ、2.治療用義歯によるアプローチ、3.骨格性因子のある患者へのアプローチ 24:38

    最初の症例は歯の是正により顎運動を是正した症例です。
    下顎右側の欠損があるため、左側中心の咬合を行っていることが疑われました。
    この症例で重要なのは、フェイスボウトランスファーを用いて、全顎的な治療計画を練ることです。
    これによって、顎のバランスを正確に評価し、適切な治療計画を立てることが可能になります。
    そしてプロビジョナルレストレーションで咬合平面を確認しながら、最終補綴物を設計することが大切です。
    具体的な治療の流れと、顎運動を是正すること得られた結果は非常に興味深いものです。
    ぜひ、動画でご確認ください。

    次に義歯を中心に顎運動を是正した症例です。
    次の症例では、咬合平面の歪みを修正し、顎運動を改善するために治療用義歯を活用したアプローチが示されています。

    最後に骨格的リスクのある患者の症例です。
    特に骨格的3級症例であり、口腔内の崩壊が認められました。
    咬合高径の設定、適正な下顎位の決定、最終補綴の咬合様式の決定といった、咬合再構成の手順と重要性を学ぶことができます。
    インプラント治療も含まれており、咬合高径や咬合平面の適切な調整が患者の機能的な回復に寄与した結果を、ぜひご覧ください。


    【関連用語集】

    1. 顎運動 (Jaw Movements): 顎の動きを指し、開閉運動や左右運動などが含まれます。顎運動は咬合の調整や機能的な評価に重要です。
    2. 咬合調整 (Occlusal Adjustment): 咬合面の形態を調整することで、より効率的な快適な噛み合わせを実現します。
    3. 歯の欠損 (Tooth Loss): 一つ以上の歯がなくなる状態。歯の欠損は咬合に影響を及ぼし、補綴治療が必要になることがあります。
    4. 下顎運動 (Mandibular Movements): 下顎の動きを指し、咬合分析や顎関節の機能評価に用いられます。
    5. 基本運動 (Basic Movements): 顎関節の基本的な動きを指し、健康な咬合機能の評価に重要です。
    6. 機能運動 (Functional Movements): 食事や話すときなどの日常生活での顎の動きを指します。
    7. 補綴装置 (Prosthodontic Devices): 欠損歯を補うための装置で、ブリッジや義歯などがあります。
    8. 義歯 (Dentures): 歯の欠損を補うために使用される取り外し可能な補綴装置です。
    9. 骨格的リスク (Skeletal Risk): 顎骨の異常や問題が咬合や顔貌に影響を与えるリスクを指します。
    10. インプラント治療 (Dental Implants): 欠損歯を補うために顎骨に埋め込む人工歯根の治療です。
    11. 咬合高径 (Occlusal Vertical Dimension): 上下の顎が閉じた時の咬合面の高さを指します。
    12. 咬合平面 (Occlusal Plane): 上下の咬合面が形成する平面を指し、咬合調整の基準となります。
    13. アンテリアガイダンス (Anterior Guidance): 前歯が咬合において果たすガイド役のこと。適切な前歯の位置や形態は、健康な咬合に不可欠です。
    14. フェイスボウトランスファー (Facebow Transfer): 顎関節の位置と咬合面の関係を正確に記録し、補綴物の製作に使用される技術です。
    15. erosion: 歯のエナメル質が酸によって溶解すること。食事や飲料、胃酸の逆流などが原因で起こります。
    16. 骨格的3級症例 (Skeletal Class III Case): 下顎が上顎に比べて前方に位置する顎の骨格的特徴。この状態は、咬合の調整や外科的治療が必要になることがあります。
    17. ベネット運動 (Bennett Movement): 下顎の側方運動に関連する特定の動き。下顎が一方向に動く際に、反対側の下顎の側方運動を指します。この動きは、顎関節の機能測定や咬合面の設計、補綴治療計画において重要な要素です。例えば、右側に下顎を動かす際、左側の下顎も少し外側に動くという動きがベネット運動です。歯の接触関係や顎関節の健康に直接関係しており、特に咬合調整や欠損補綴、義歯の設計等において重要な考慮点となります。

  • ディスカッション│日本における顎運動と歯科の在り方と大学教育 11:04

    相宮秀俊先生・杉元敬弘先生・重本修伺先生に、日本における顎運動と歯科の在り方を海外と比較しながらディスカッションしていただきました。大学教育の現状と改善についても追求しています。 

    解釈や応用が難しい顎運動をどのように可視化し、活かせるかを詳細に解説された講義になっています。
    顎運動を考慮した全顎的なアプローチで、より良い咬合調整と口腔機能の改善を実現しましょう。

  • 咬合再構成により全身不調が生じた症例〜顎運動機能の重要性と咬合論〜 16:53

    矯正治療やインプラントなどによって咬合の再構成を図ることがあるのではないでしょうか。
    では、「なぜ咬合を変える必要があるのか?」
    この命題に明確に答えることができますか?
    今回の動画を見れば、一つの答えを知ることができます。
    その上で、顎運動を可視化する必要性や将来の歯科治療への発展について理解を深めることができるでしょう。

    実際の症例を供覧しましょう。
    他院からの紹介で歯科治療後の頭痛や肩こりなどの不定愁訴を訴えて来院された患者さんです。
    極めてオーソドックスな治療が完了していますが、丁度その時期から愁訴が強くなってきたそうです。
    このようなことが起きた原因は何でしょう、どのように対処すればよろしいのでしょうか。

    そもそも、補綴物などの咬合は咬合器上で再現されます。
    しかし咬合器上での運動が生体と一致しているという保証はどこにもありません。
    この差異が患者さんの訴える症状・愁訴として表現されていたのです。
    したがって、これらを一致させるため、近年ではデジタル技術を用いて、顎運動を可視化し再考することが重要視されています。

    【関連用語】

    1.    顎運動 (Jaw Movements): 顎の動きを指し、開閉運動や左右運動などが含まれます。顎運動は咬合の調整や機能的な評価に重要です。
    2.    矯正治療 (Orthodontic Treatment): 不正咬合を修正するための治療。歯列の位置を整えたり、顎の成長を誘導したりします。
    3.    インプラント (Dental Implants): 欠損した歯を補うために、顎の骨に埋め込まれる人工の歯根です。
    4.    咬合再構成 (Occlusal Reconstruction): 噛み合わせに問題のある咬合面形態を改善することで、機能的かつ美的な咬合を実現する治療。
    5.    可視化技術 (Visualization Technology): 医療データや治療計画を視覚的に示す技術。患者の理解を助け、治療計画の精度を高めます。
    6.    デジタル技術 (Digital Technology): 歯科診療において、画像処理やデータ管理などに使われる最先端技術。
    7.    顎運動測定器 (Jaw Movement Tracker): 顎の動きを正確に測定するための装置。診断や治療計画に役立ちます。
    8.    デジタル化 (Digitalization): 歯科診療における情報やプロセスをデジタル技術によって管理・改善すること。
    9.    顎運動の異常 (Abnormal Jaw Movements): 通常とは異なる顎の動き。顎関節症などの疾患の診断に重要です。
    10.    治療計画 (Treatment Planning): 患者の診断に基づき、最適な治療方法を計画するプロセス。
    11.    顎運動の可視化 (Visualization of Jaw Movements): 顎の動きを視覚化する技術。診断や治療計画の精度向上に貢献します。
    12.    磁気ベクトル空間方式 (Magnetic Vector Space Method): 顎の動きや位置を高精度で測定するための技術。磁気センサーを用いる。
    13.    咬合再構成の設計 (Design of Occlusal Reconstruction): 咬合再構成治療を行う際の詳細な計画や設計のプロセス。

  • 磁気ベクトル空間方式顎運動測定器による顎運動の可視化 25:21

    顎運動の可視化に用いる測定器として「磁気ベクトル空間方式顎運動測定器」について説明いただきました。
    これを理解するのに大切なのが「全運動軸」です。
    顎機能異常を持つ患者では、この全運動軸が直線状に並ばないことがあります。
    つまり、全運動軸を測定することで顎運動の異常を可視化することができるようになりました。
    これにより、顎運動の質の評価を可視化、数値化することができ、臨床に活かすことができるようになります。

    この技術を用いて、実際の顎運動を見てみると、生体と咬合器上で違う運動をしていることが良く分かります。
    咀嚼運動時は限界運動内で動いていますが、嚥下時にはその範囲内を超えています。
    これらが、歯科治療を難しくしている原因です。
    当然、咬合器では、このことを再現することができませんが、デジタル化によって、評価が可能になります。

    デジタル化によって顎運動を可視化し、評価が客観的になったり、動的な評価が可能になります。
    また、これらの分析をもとに設計することも可能になります。
    これこそが、次世代のゴールデンスタンダードになると思われます。

    さて、紹介された患者さんは、顎関節評価を行い、シミュレーションによって問題が炙り出されました。
    具体的にはスプリントによって、咬合高径を挙げ、下顎を前方移動することで症状の改善が認められました。
    今回の症例を通して、顎運動を可視化することが、いかに重要かをご理解いただけると思います。

    実際の症例を通して、顎運動可視化の重要性や次世代の歯科治療の一端が見られる動画です。
    ぜひ一度ご覧ください。

    【関連用語】

    1.    顎運動 (Jaw Movements): 顎の動きを指し、開閉運動や左右運動などが含まれます。顎運動は咬合の調整や機能的な評価に重要です。
    2.    矯正治療 (Orthodontic Treatment): 不正咬合を修正するための治療。歯列の位置を整えたり、顎の成長を誘導したりします。
    3.    インプラント (Dental Implants): 欠損した歯を補うために、顎の骨に埋め込まれる人工の歯根です。
    4.    咬合再構成 (Occlusal Reconstruction): 噛み合わせに問題のある咬合面形態を改善することで、機能的かつ美的な咬合を実現する治療。
    5.    可視化技術 (Visualization Technology): 医療データや治療計画を視覚的に示す技術。患者の理解を助け、治療計画の精度を高めます。
    6.    デジタル技術 (Digital Technology): 歯科診療において、画像処理やデータ管理などに使われる最先端技術。
    7.    顎運動測定器 (Jaw Movement Tracker): 顎の動きを正確に測定するための装置。診断や治療計画に役立ちます。
    8.    デジタル化 (Digitalization): 歯科診療における情報やプロセスをデジタル技術によって管理・改善すること。
    9.    顎運動の異常 (Abnormal Jaw Movements): 通常とは異なる顎の動き。顎関節症などの疾患の診断に重要です。
    10.    治療計画 (Treatment Planning): 患者の診断に基づき、最適な治療方法を計画するプロセス。
    11.    顎運動の可視化 (Visualization of Jaw Movements): 顎の動きを視覚化する技術。診断や治療計画の精度向上に貢献します。
    12.    磁気ベクトル空間方式 (Magnetic Vector Space Method): 顎の動きや位置を高精度で測定するための技術。磁気センサーを用いる。
    13.    咬合再構成の設計 (Design of Occlusal Reconstruction): 咬合再構成治療を行う際の詳細な計画や設計のプロセス。

  • ディスカッション│顎運動可視化技術からみる次世代歯科医療の展望-みえないものを観る・診ることによって- 12:21

    杉元先生のプレゼンテーションをテーマに、相宮 秀俊先生、重本 修伺先生とディスカッションをディスカッションを行いました。
    咬合治療で良く用いられるスプリントの使い方や、3D上で顎運動を計測する意義を語り合います。

  • 磁気ベクトル空間方式顎運動測定器とは?丨重本 修伺先生 11:14

    現代の歯科治療において、顎運動の理解は不可欠です。
    今回の講義では、顎運動を科学的に深く掘り下げ、デジタル化された歯科治療への応用方法を学べます。
    特にデジタル技術の進展に伴い、顎運動の可視化が重要視されています。
    これにより、患者一人ひとりに合ったオーダーメイドの治療計画の立案が可能になるのです。

    講義の中心となるのは、重本先生による次世代歯科用CAD/CAMシステムの開発に関する内容です。
    このシステムは、顎運動情報を利用して、患者の診断や補綴装置の設計を行うことができる革新的な技術です。
    動画では特に「磁気ベクトル空間方式顎運動測定器」の使用方法とその重要性にフォーカスを当てています。
    この測定器は、顎運動を高精度で捉えることができるため、診断や治療計画の精度を大幅に向上させます。

  • 全運動軸と最小運動軸〜デジタル化でも必要なアナログ的知識〜丨重本 修伺先生 31:36

    重本先生は、基準軸として「全運動軸」と「最小運動軸」を使用する利点を強調しています。
    これらの軸を使用することで、治療の効果や適切な治療時期の判定、咬合高径の決定に役立ちます。
    また、顎運動の質を評価するためにも非常に有効です。

    さらに、重本先生は顎運動測定器を使った咬合の可視化技術についても詳しく説明します。
    この技術により、咬合面からの分析が可能となり、患者の咬合接触を動的に評価することができます。
    形態と機能を可視化することで、「デジタルFGP」の実現が可能になり、より精度の高い治療計画を立てることができます。

    また、「下顎運動」と「相補下顎運動」の2つの運動についても触れています。
    これらの運動は、CAD/CAMで補綴装置を作成する際に必要不可欠な知識となります。
    デジタルFGPを応用することで、咬頭干渉部位を正確に評価し、補綴装置の設計をサポートすることができます。

    今回の講義では顎運動の基本から応用までを、わかりやすく解説いただきました。
    デジタル化が進む歯科治療の現場で、より効果的な治療計画を立てるために、この動画は何度も見返す価値があります。
    ぜひ顎運動の重要性を理解し、日々の臨床に活かしてください。

  • ディスカッション丨顎運動測定の今後の展望 18:00

    重本先生のプレゼンテーションを受けて、相宮秀俊先生・杉元敬弘先生・重本修伺先生にディスカッションをしていただきました。
    顎運動測定の今後の展望や、アナログとデジタル技術の融合について語り合います。

  • 図と動画で解説!咀嚼運動と限界運動丨甲斐 智之先生 14:08

    歯科治療において顎運動の分析はしばしば見過ごされがちですが、診断から治療計画の立案に至るまで、重要な役割を果たします。

    動画では、まず顎運動の観察の重要性について説明され、様々な咬合構成要素、特にアンテリアガイダンスとその「変化」を観察することの重要性が解かれます。
    その上で、咀嚼時の顎運動に特に焦点を当て、異なる食材(ヨーグルト、バナナ、煎餅)を食べる際の咀嚼動作の違いについて視覚的に示しています。
    これにより、食材の硬さや粘度が顎運動に与える影響を具体的に学ぶことができます。

    そして咀嚼運動と限界運動(顎の最大開閉運動や側方運動など)の関連性についても、図を用いて詳しく解説。どのように相互に作用するのか理解することができます。
    また、回転運動と滑走運動を困難にする2つの要因、顎関節の問題とベネット運動の制限についても触れられており、顎運動の分析を通じてこれらの要因を理解し、適切な治療を行うためのヒントを得ることができます。

    顎運動の基本を網羅した本動画は、顎関節症や咬合問題を抱える患者の診療に役立ち、日常臨床での顎運動分析の具体的なガイダンスとなります。
    ぜひご覧ください。

    【関連用語】
    顎運動分析 (Jaw Movement Analysis):
    顎の動きを科学的に分析すること。顎関節の機能、咬合パターン、顔面の筋肉活動などを評価します。

    咬合構成要素 (Components of Occlusion):
    正常な咬合を形成するための要素。これには歯の位置、咬合面の形状、顎関節の動きなどが含まれます。

    アンテリアガイダンス (Anterior Guidance):
    前歯が咬合において果たすガイド役のこと。適切な前歯の位置や形態は、健康な咬合に不可欠です。

    咀嚼運動 (Masticatory Movement):
    食物を咀嚼するための顎の動き。この運動は効率的な食物の砕き方や、顎関節と筋肉の健康に影響します。

    限界運動 (Border Movements):
    顎が行うことのできる最大限の運動。

    回転運動 (Rotational Movement):
    顎関節内での顎の回転動作。顎を開ける初期動作などに見られます。

    滑走運動 (Translational Movement):
    顎関節での顎の直線的な動き。顎を大きく開ける際などに見られます。

    ベネット運動 (Bennett Movement):
    下顎の側方運動に関連する特定の動き。下顎が一方向に動く際に、反対側の下顎の側方運動を指します。

    顎関節症 (Temporomandibular Joint Disorder, TMJD):
    顎関節や顎周辺の筋肉に関連する障害。痛み、顎の動きの制限、クリック音などの症状があります。

    中心位(CR, Centric Relation):
    顎関節が最も安定した、解剖学的に正しい位置。咬合の診断や治療計画において重要な基準点となります。

    咬頭嵌合位(IP, Intercuspal Position):
    歯の咬頭が最も密接に嵌合している位置。自然な咬合状態を示します。

    CR-ICP difference:
    中心位(CR)と咬頭嵌合位(ICP)の間の差。この差は、咬合の不調和や顎関節症の原因となることがあります。

    CR誘導 (CR Induction):
    患者の顎を中心位(CR)に導くための技術や手法。咬合の診断や治療において用いられます。

  • 顎運動の臨床応用〜中心位把握と咬合治療へのアプローチ〜丨甲斐 智之先生 32:40

    後半では、3つの症例を見ながら、顎運動の分析と中心位(CR)の重要性に焦点を当てていきます。

    まず中心位(CR)の基本概念とその臨床的有効性について詳しく解説されます。
    特に「中心位の把握」というテーマに焦点を当て、健常者と症例を用いて、正確な中心位の把握方法が説明されています。
    これは、咬合の診断と治療計画において不可欠な要素です。

    また、症例を用いて、CRとIP(咬頭嵌合位)の差異(CR-ICP difference)の把握の重要性についても触れられており、これが治療計画策定においてどのように役立つのかを具体的に示しています。

    さらに、甲斐先生が行うCR誘導の方法についても実践的なデモンストレーションがあり、これを通じて顎運動の把握が治療の成功にどのように貢献するのかを学ぶことができます。

    顎運動分析は診査・診断において難易度が高い分野ですが、この動画を通じてその理解を深め、実践的な臨床への応用方法を学ぶことができます。
    顎運動の詳細な分析が治療計画の成功に大きく貢献することを再認識し、動画を通じてその技術を習得しましょう。


    【関連用語】
    顎運動分析 (Jaw Movement Analysis):
    顎の動きを科学的に分析すること。顎関節の機能、咬合パターン、顔面の筋肉活動などを評価します。

    咬合構成要素 (Components of Occlusion):
    正常な咬合を形成するための要素。これには歯の位置、咬合面の形状、顎関節の動きなどが含まれます。

    アンテリアガイダンス (Anterior Guidance):
    前歯が咬合において果たすガイド役のこと。適切な前歯の位置や形態は、健康な咬合に不可欠です。

    咀嚼運動 (Masticatory Movement):
    食物を咀嚼するための顎の動き。この運動は効率的な食物の砕き方や、顎関節と筋肉の健康に影響します。

    限界運動 (Border Movements):
    顎が行うことのできる最大限の運動。

    回転運動 (Rotational Movement):
    顎関節内での顎の回転動作。顎を開ける初期動作などに見られます。

    滑走運動 (Translational Movement):
    顎関節での顎の直線的な動き。顎を大きく開ける際などに見られます。

    ベネット運動 (Bennett Movement):
    下顎の側方運動に関連する特定の動き。下顎が一方向に動く際に、反対側の下顎の側方運動を指します。

    顎関節症 (Temporomandibular Joint Disorder, TMJD):
    顎関節や顎周辺の筋肉に関連する障害。痛み、顎の動きの制限、クリック音などの症状があります。

    中心位(CR, Centric Relation):
    顎関節が最も安定した、解剖学的に正しい位置。咬合の診断や治療計画において重要な基準点となります。

    咬頭嵌合位(IP, Intercuspal Position):
    歯の咬頭が最も密接に嵌合している位置。自然な咬合状態を示します。

    CR-ICP difference:
    中心位(CR)と咬頭嵌合位(ICP)の間の差。この差は、咬合の不調和や顎関節症の原因となることがあります。

    CR誘導 (CR Induction):
    患者の顎を中心位(CR)に導くための技術や手法。咬合の診断や治療において用いられます。

  • ディスカッション丨顎運動フォーラム 第4回 15:22

    甲斐先生の講演後、プランナーである相宮 秀俊先生、杉元 敬弘先生と共に、顎運動分析の日常臨床への実践についてディスカッションしていただきました。

    杉元先生から限界運動、ベネット運動について質問があり、甲斐先生の噛み砕いた説明で、より理解を深めることができます。
    ずれてしまった関節円板の位置はどうすべきか、など、咬合治療に取り組む先生方の悩みを解決してくれる内容です。
    ぜひ、最後までご覧ください。

  • デジタルによる顎運動診断 07:18

    デジタル技術の進化は、矯正治療やインプラント治療においても革新的な変化をもたらしており、パノラマ撮影一枚から得られる情報量の増加により、正中のずれや欠損部の骨形態など、口腔状態をより詳細に把握できるようになりました。

    病的咬合や不正咬合がどのようにして生じるのか、その原因を理解することは、治療計画の策定において極めて重要です。
    患者様自身も気づいていない不正咬合が模型診査によって明らかになり、これらの問題が歯の機能喪失や咬合崩壊につながる危険性を指摘しています。

    秋田先生は顎位の変化や下顎頭の形態分析を通じて、過去の咬合状態や顎関節の変化を探ることの重要性を強調しています。
    そして顎関節の形態が口腔内の機能や生活環境に適応し、咀嚼器官を維持していることを明らかにしました。
    ですが、治療アプローチには個々の術者の感覚が影響し、そのために治療結果に差が生じる可能性があります。

    このプレゼンテーションは、顎運動診断の精度を高め、より適切な治療計画を立てるために、デジタル技術の活用や顎運動の詳細な分析の必要性を歯科医療従事者に訴えかけています。
    顎運動の診断と治療におけるこれらの洞察は、臨床現場での患者ケアの質を向上させるための貴重な知見を提供します。

  • 歯科における『匠と可視化』 29:57

    デジタル技術の進歩に伴い、矯正治療やインプラント治療における顎運動の分析がより重要になってきており、パノラマ撮影やCBCTを用いて得られる豊富な情報から、不正咬合や顎関節の問題をより深く理解し、適切な治療計画を立案することが可能になっています。

    秋田先生は顎運動診断を通じて、口腔内の問題点を明らかにし、治療前後の顎運動の変化を詳細に分析することの重要性を強調しています。
    不正咬合や顎関節の問題がどのようにして発生するのか、その原因を理解し、適切な治療アプローチを模索することが、患者の口腔健康を保持・改善する上で不可欠です。

    また、講演では具体的な症例を用いて、顎運動の診断と治療への応用方法を解説していただきました。
    例えば、根尖の透過像や不適合補綴物が原因で発生した顎関節の問題を持つ患者に対して、スプリント治療やインプラント、矯正治療を含む総合的な治療計画を立案し、患者の咬合バランスを改善し、顎関節の健康を回復させるアプローチが示されています。

    この講演は、顎運動の詳細な分析が患者の治療計画の成功にいかに寄与するかを示す貴重な事例を提供しており、歯科医療従事者にとって臨床における顎運動診断の重要性と応用方法に関する深い洞察を与えます。

  • ディスカッション丨顎運動Forum.第5回 35:38

    秋田先生の講演後、プランナーである相宮 秀俊先生、杉元 敬弘先生と共に「顎運動時の左右差が大きい場合の攻略法」など、日常臨床への実践についてディスカッションしていただきました。

  • 咬合再構成とは?〜なぜ顎運動データの分析が必要か〜 #1 10:43

    欠損補綴を伴う咬合の再建には顎運動のデータを分析し、それを取り入れることが効果的です。
    咬合再構成は、咬合位の決定と本来の咬合誘導を定めることがカギとなります。
    これによって、顎口腔機能を回復することができます。
     
    近年、8020運動の推進に伴い、高齢になってからも多くの残存歯を持つ高齢者が多くなっています。
    しかし、一方で、物が上手に噛めないと訴える高齢者も増えていると報告されています。
    これはつまり、咬合の崩壊を起こしている方が多く存在するということを意味します。
     
    歯の喪失は50歳を境に急増し、その原因は歯周病、う蝕があります。
    それ以外に、咬合力による歯根破折があります。
    また、若い年齢の場合は、顎関節症を訴える割合が多いと報告されており、これの改善には口腔機能回復治療が欠かせません。
     
    顎口腔系は大きく、顎関節、歯列、咬合高径の3つの要素で構成されています。
    これらが全て正常であれば、関節円板が顎関節腔の前上方に位置し、安静な状態を保っています。
    しかし、補綴治療の繰り返しなどが原因となって、関節円板が逸脱し、様々な問題が生じます。
    このように、咬合関係と顎関節は密接に関与しており、顎運動データを取り入れることは非常に重要な役割を担っているといえます。
     
    顎運動を臨床に取り入れることで様々なメリットが存在します。
    例えば、診査・診断が明確化したり、治療期間の短縮につながる可能性があります。
    また、CAD/CAMnの応用により、顎運動データを技工所と共有することで、より適合性に優れた補綴物の作成が可能になります。
     
    それでは実際の症例を通して、いかにして顎運動データを患者様に還元するかをみてみましょう。

  • 顎運動データを応用し咬合再構成を行った症例の解説〜実症例に学ぶ顎運動分析〜 #2 41:14

    74歳女性、咬合不正と顎関節雑音を主訴に来院されました。
    口腔内は一見すると咬合に大きな問題はなさそうです。
    しかし、チンポイント変法で咬合を誘導すると臼歯部に咬合離解が生じました。
    これらを如何にして解決していったのでしょうか。
     
    セファロ分析やCT撮影から、補綴物再製の繰り返しにより、臼歯部の咬合高径の低下によって顎関節症状が生じたと考えられます。
    咬合高径が低下している場合、胸鎖乳突筋の過活動が生じるとこれまでの研究で報告されています。
    また、静的診査に加えて、デジタルJAWシステムである[Zebris WINJAWシステム]による顎運動の動的診査を加えるとより問題点が明確になります。
     
    これらによって炙り出された問題点に対して、治療計画を考えていきます。
    治療計画を立てる時に、2つのことが重要になります。
    「顆頭安定位の模索とそれをもとにしたプロビジョナルレストレーションの作成」です。
    顆頭安定位を模索するとき、患者主導の獲得を行うことが望ましいです。
     
    今回は、テンポラリーレストレーションとして前歯部を含めたオーバーオールスプリントを用いました。
    これにより筋痛の改善が図れ、顎関節の位置の改善を認めました。
    また、動的診査でも下顎頭の左右の均一性も確認できたため、顆頭の安定が獲得できました。
    その後より具体的な治療計画をたて、プロビジョナルレストレーションを作成します。
    プロビジョナルレストレーションを作成する上で大切なのが、習癖による後戻りを咬合によって阻止することです。
     
    術前とプロビジョナルレストレーション後のセファロ分析で非常に僅かではありますが下顎が後下方に回転しています。
    僅かな差ではありますが、これが重要であり、これらの改善にはZebrisによる動的データの採取が欠かせません。
    Zebrisの分析では経路の再現性を確認して、改善しているかどうかを判断します。
     
    静的・動的診査に加えて、患者様の状態、感覚を取り入れ、ファイナルの補綴物に移行します。
    最終補綴物装着後、顎運動の改善や患者様の訴えも改善され良好な結果が得られました。
     
    顎運動をデジタル化し、分析することで様々な恩恵を受けることができます。
    また、咬合再構成を必要とする患者様は多くいます。
    Eichnerの分類を参考にするなど基準は様々ですがニーズがあることには違いありません。
     
    馴染みの薄い顎運動を如何に臨床に応用できるか実症例をもとに参考にしてみましょう。

  • 顎運動の臨床応用〜咬合再構成の勘所と今後の展望〜 #3 22:19

    咬合再構成の本来の目的は「よく噛める」ということです。
    機能を回復すれば、美しさも後から付随してくると考えられます。
     
    演者の諸隈先生はこれまでは病気、感染を取り除くための治療に注力してきました。
    しかし、経験を積む中で、機能の追求の重要性を実感し、咬合力のコントロールの重要性を理解しました。
    多くの先生方が、顎運動を誘導する時「その顎位が本当に正しいのか」という疑問を抱くと思います。
    この疑問の解決に諸隈先生はCTと顎運動の分析を応用しています。
     
    顎運動を診断する時の工夫には様々なものがあります。
    チンポイント変法は簡易的である一方で、再現性に乏しい傾向があります。
    このため、あくまでも顆頭安定位を参考としたCRバイトが最も重要です。
    また、患者主導の顎運動を誘導するためには、患者様のリラックスが欠かせません。
    患者様のリラックスには、問診と患者様とのディスカッションです。
    問題点や解決策を患者様と共有することで信頼関係の構築とともに価値観を反映させることができるようになります。
     
    諸隈先生はオーバーレイオクルージョンを使って、顆頭安定位を採得しています。
    この材料はPMMAを用いています。
    強度などの面で優れており、操作性にも優れています。
    これを使って、適切な顎位に誘導し、患者さんの症状を見ながら次のステップに進んでいきます。
     
    咬合再構成のうえで最も重視するのは「機能」です。
    骨格的な問題と機能の問題とは相反する関係にあることが臨床上あります。
    検査結果はあくまでもデータです。
    数値にこだわることなく、その数値をどのように使うかを動的データとともに考えていくことが重要です。
     
    デジタルの検査結果を患者様というアナログ情報に還元することが大切です。
    咬合再構成の場合はこの特徴が顕著です。
    咬合再構成に通じて日本の歯科医療のレベルを上げる強みになります。
    皆さんも一度取り組んでみませんか?

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