今回は歯列不正や不正咬合の原因の一つと考えられている異常嚥下について議論します。
異常嚥下は歯列不正の要因になるというエビデンスはあるものの、個人差が大きいため、統計的に有意差を示すのが難しいです。そのため、エビデンスに縛られすぎず、患者個人の状況を踏まえた上で治療方針を立てることが重要であると柳沢先生は語ります。
異常嚥下には、舌突出や口輪筋の過剰使用など、様々なパターンが存在します。そしてそれぞれのパターンによって、歯列の変形の仕方は変わります。したがって、異常嚥下の背景にある根本原因、例えば舌小帯、鼻づまり、アレルギー、環境・遺伝要因などを探ることが重要です。
最終的には、個々の患者における異常嚥下の具体的な状態を把握し、その状況に合わせた適切な対処を行うことが何より大切だと結論しています。

【講師名】
柳沢 哲秀先生（柳沢歯科医院 院長）
井上 敬介先生（医療法人真稜会　I Dental Clinic 理事長）

＊柳沢先生
【略歴】
2003年　東京都立国立高等学校卒業
2009年　東京歯科大学　歯学部　卒業
　　　　　　うしくぼ歯科にて研修医
2010年　東京歯科大学　歯科保存学講座　
2012年　ペンシルバニアデンタルクリニック
2012年　柳沢歯科医院勤務
2014年　ベルエアガーデン歯科にて歯内療法専門医
2018年　トロントスタディー受講
2019年　柳沢歯科医院　院長就任
2019年10月　医療法人社団　秀英会設立　理事長就任

【所属】
柳沢歯科医院　院長
Summit-G
日本小児口腔発育学会