【Digital Denture Start UP in Japan 2020】登壇者インタビュー①(上田 貴之 先生)
登壇者プロフィール
講師:上田 貴之 先生
東京歯科大学 老年歯科補綴学講座 主任教授
経歴
1999年 東京歯科大学卒業
2003年 東京歯科大学大学院歯学研究科修了
2003年 東京歯科大学・助手
2007年 東京歯科大学・講師
2007年 長期海外出張(スイス連邦・ベルン大学歯学部補綴科客員教授)
2009年 東京歯科大学復職
2010年 東京歯科大学・准教授
2019年 東京歯科大学老年歯科補綴学講座・主任教授
主な活動
一般社団法人日本老年歯科医学会 常任理事・専門医・指導医・学術委員会委員
公益社団法人日本補綴歯科学会 代議員・専門医・指導医・医療問題検討委員会委員
講演「デンチャー製作のデジタル化は、臨床をどう変えるか?」抄録
三次元的積層造形技術により製作された義歯、すなわちインクジェットプリンターで製作された義歯のことを「プリントデンチャー」と呼んでいます。
この講演会は、デジタルデンチャースタートアップと題しておりますが、これは製作に必要なインクやプリンターが我が国で医療機器認可を受け、プリントデンチャーが正式に実臨床の場に立ったことを記念したものです。
本講演では、私のこれまでのデジタルデンチャーの臨床例を供覧させていただき、デジタルデンチャーのメリットや今後の展開について考えてみたいと思います。
本セミナーのご講演について、先生にインタビューを行いました
Q:これまでの義歯の歴史からみても、この10年、デジタル化の波により義歯製作においても目覚ましい変化があるように感じられます。
また、日本では患者の欠損状態や補綴に求める要望などにも変化が見られている中、デジタル技術を活用したこれからの時代に求められる歯科医師像、歯科衛生士像、歯科技工士像、とはそれぞれどのようなものでしょうか?
A:義歯の製作工程のデジタル化は、単に臨床手技や製作方法の変化だけにとどまらないと思います。
デジタル技術のメリットの一つは、データの転送の容易さです。歯科におけるICT(Information and Communication Technology)活用方法の1つです。技工指示書や技工物、補綴装置を手渡しする必要がなくなり、歯科医師と歯科技工士とのコミュニケーションが対面で行う必要もなくなります。このことは、歯科診療所と歯科技工所の物理的な距離が、よい補綴装置を作る障壁ではなくなることを意味すると思います。今後は、歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士にとっても、ICT教育の重要性は増すものと思われます。
Q:今後のデジタル技術の普及によって拡がる、義歯臨床や教育現場における可能性をどう感じていらっしゃいますか?
A:義歯臨床の幅が広がると思います。これまで通りのテーラーメイドの手作りの義歯は、今後しばらくは続くと思います。
デジタル技術の応用は、それを単に置き換えることが目的ではありません。高齢者や訪問診療などで、来院回数が限られている、通院が難しい、患者の負担が大きい等の理由による義歯の製作ができなかった方にも、義歯の提供の可能性が広がります。
現在の歯学教育は、知識面、技能面で履修しなければならない項目が膨大です。今後は、教育の場においても、カリキュラム編成の際に時間対効果が厳しく精査されていくでしょう。
そのような中で、学生に歯科補綴学の知識や技能を効率よく習得してもらうツールとして、デジタル技術は期待されております。
私たちの研究室でもデジタル技術の教育応用は5年前から行っており、印象や模型のスキャニング、CAD上での人工歯排列や修正などの実習を学生が行っております。
Degital Denture Start UP in Japan 2020🌸開催決定
\ついに義歯臨床がデジタルの時代に/
歯科医師/技工士向けオンラインセミナー開催!!
ついに日本におけるデジタルデンチャーの臨床実用がスタートします。
セミナーでは、3Dプリントデンチャーの臨床工程と実技を学ぶことができ、翌日から臨床でご利用できるサービスも発表されます。
また、3Dプリントデンチャーで使用できるDENTCAトレーも特別価格にてご提供いたします。
・プログラム概要
1.デジタルデンチャーの今と未来
2.ついに日本上陸!3Dプリントデンチャーの実践(臨床工程・実技・技工デザイン・実臨床での利用方法)
3.3Dプリントデンチャー開発者、南カルフォルニア大学Dr.Kimによる開発秘話と将来展望
・会期/参加費
① 2020年11月26日(木)20:00~22:40
② 2020年12月13日(日) 9:30~12:10
③ 2020年12月19日(土)19:30~22:10
歯科医師 (通常)23,000円
歯科技工士(通常)18,000円
学生割引 (通常)13,000円
企業・一般(通常)25,000円
・主催:株式会社バイテック・グローバル・ジャパン
・共催:クルツァージャパン株式会社
・協賛:株式会社松風/三井化学株式会社/三井物産株式会社/DENTCA Inc./Ackuretta Technologies Pvt. Ltd./株式会社SDL・HD/株式会社日本歯科商社