【Digital Denture Start UP in Japan 2020】登壇者インタビュー④(金澤 学 先生)
登壇者プロフィール
経歴
1996年 私立浅野高等学校卒業
2002年 東京医科歯科大学歯学部卒業
2006年 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 全部床義歯補綴学分野 修了. 博士(歯学)
東京医科歯科大学 歯学部附属病院 義歯外来 医員
2008年 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 高齢者歯科学分野 助教
2013年-2014年 マギル大学 客員教授
Visiting professor Oral Health and Society, Faculty of Dentistry, McGill University
2019年 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 高齢者歯科学分野 講師
日本磁気歯科学会理事
講演「デジタルデンチャーの最近研究と最先端テクノロジー」抄録
デジタルデンチャー製作ステップはチェアサイドとラボサイドに分けられる。チェアサイドでは口腔内スキャナを用いた顎堤のスキャンを行い、簡易咬合採得を行った上で、その上下顎と咬合採得材を同時にスキャンする。これにより、CADソフト上に、顎間関係が記録された状態で、上下顎堤3次元データを取り込むことが可能になる。
このCADソフト上にて3D printed try-in dentureを製作し、上下最終印象・咬合採得・試適を同時に行うことが可能となる。ラボサイドでの義歯の完成方法はミリングによるものと3Dプリンティングによるものに分けられる。
本講演では、これらの最先端テクノロジーを紹介すると共に、それに関連する最新の研究を共有したい。
本セミナーのご講演について、先生にインタビューを行いました
Q:先生はご講演や学会出席などで頻繁に海外へ行かれておりますが、様々な国を見られて、そこで知り得た情報から、日本のデジタルデンチャー元年が今年だとすると、5年後、10年後、日本での義歯製作はどのようになっていると予想できるでしょうか?
A:デジタルデンチャーの臨床応用に関しては、チェアサイドのデジタル化とラボサイドのデジタル化はそれぞれ別々に進行すると思っています。
ラボサイドのデジタル化に関してはミリングも3Dプリントもソリューションが確立されてきました。これによって、従来のようなアナログ手法により、ろう義歯試適までを行い、そこから先の義歯の製作をミリングもしくは3Dプリントで行うということは、5年後には当たり前の世界になっていると考えています。
一方でチェアサイドのデジタル化に関しては口腔内スキャナに大きく依存しますので、技術的に超えなければいけない壁があります。粘膜のスキャンは現状ではまだ難しいことも多く、特に精度の高い咬合採得が容易ではありません。チェアサイドの臨床応用はラボサイドのデジタル化よりも遅くなると思いますが、10年以内にはストレスなく使用出るように我々も努力していかないといけないと考えています。
日本は海外と比べて特殊な保険制度がありますので、保険に導入されるかどうかも日本での普及タイミングに関わってくると考えられます。
Q:日本と世界とを比較すると、海外では積極的にデジタル技術を活用している印象がありますが、デジタルに関するとらえ方の違いなどありますでしょうか?
A:欧米のデジタル化進んでいるように見えるのは、デジタル機器やソリューションが欧米の歯科メーカーから新しく出てきて、日本の歯科メーカーから出てこないから、そのように感じるのではないでしょうか。海外の友人の話を聞いていると、デジタルの普及、という意味では日本とそこまで大きな差はないと感じています。
欧米でのデジタル化が進んでいる理由の一つは保険制度の違いがあると思います。保険がなければ、薬事承認さえ受けられていたものは歯科医師・歯科技工士は自由に選択することができます。日本の場合は、保険診療の占める割合が90%を超えるので、保険に導入されないと限られた保険外診療の中での普及を目指すことになり、欧米と比較して普及が遅れる原因になるかと思っています。
ただ、先ほど述べたように日本が現状でそこまで遅れているわけはないと思っています。日本で行われている研究は諸外国と比べて引けを取っていないと思いますし、欧米でデジタルデンチャーが浸透しているわけでもありません。本当にここ数年で臨床応用して問題ないレベルのソリューションが確立されてきたところですので、欧米においてもまだまだこれからだと思っています。
Degital Denture Start UP in Japan 2020🌸開催決定
\ついに義歯臨床がデジタルの時代に/
歯科医師/技工士向けオンラインセミナー開催!!
ついに日本におけるデジタルデンチャーの臨床実用がスタートします。
セミナーでは、3Dプリントデンチャーの臨床工程と実技を学ぶことができ、翌日から臨床でご利用できるサービスも発表されます。
また、3Dプリントデンチャーで使用できるDENTCAトレーも特別価格にてご提供いたします。
・プログラム概要
1.デジタルデンチャーの今と未来
2.ついに日本上陸!3Dプリントデンチャーの実践(臨床工程・実技・技工デザイン・実臨床での利用方法)
3.3Dプリントデンチャー開発者、南カルフォルニア大学Dr.Kimによる開発秘話と将来展望
・会期/参加費
① 2020年11月26日(木)20:00~22:40
② 2020年12月13日(日) 9:30~12:10
③ 2020年12月19日(土)19:30~22:10
歯科医師 (通常)23,000円
歯科技工士(通常)18,000円
学生割引 (通常)13,000円
企業・一般(通常)25,000円
・主催:株式会社バイテック・グローバル・ジャパン
・共催:クルツァージャパン株式会社
・協賛:株式会社松風/三井化学株式会社/三井物産株式会社/DENTCA Inc./Ackuretta Technologies Pvt. Ltd./株式会社SDL・HD/株式会社日本歯科商社