【Digital Denture Start UP in Japan 2020】登壇者インタビュー③(水口 俊介 先生)
登壇者プロフィール
講師:水口 俊介 先生
東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 医歯学系専攻 老化制御学講座 高齢者歯科学分野 教授
経歴
1983年 東京医科歯科大学歯学部歯学科 卒業
1987年 東京医科歯科大学大学院歯学研究科 修了
1989年 東京医科歯科大学歯学部高齢者歯科学講座助手
2001年 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科口腔老化制御学分野講師
2001年 ロマリンダ大学歯学部Visiting Research Professor
2005年 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野助教授
2008年 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科全部床義歯補綴学分野教授
2013年 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野教授
2020年 東京医科歯科大学歯学部附属病院長
主な活動
一般社団法人日本老年歯科医学会理事長
公益社団法人日本補綴歯科学会常任理事
特定非営利活動法人日本咀嚼学会常任理事
日本義歯ケア学会理事
日本磁気歯科学会理事
講演「デジタルデンチャーが求められる時代背景と将来展望」抄録
我が国における人口の高齢化はますます進行しています。
しかしながら歯科医療のシンポや国民の久々宇建工に関する意識の変化により残存歯数は多くあなっており8020達成者の割合は増加し51.2%に達しました。
また有床義歯を使用している者の割合も減少傾向にあります。
しかしながら高齢人口自体の増加により割合は減っても、実数は減らないのではないかとも思われます。加えて難症例の増加や在宅など義歯治療の状況は厳しくなるばかりです。
この対策としては義歯治療に関する教育の充実と義歯製作の手順の簡略化が日うようになってきますが、それに貢献できるのがCADCAMです。義歯製作の過程を数値化することによって、さまざまな可能性が広がるのです。講演では、そのことについてお話ししたいと思います。
本セミナーのご講演について、先生にインタビューを行いました
Q:CAD-CAM冠が保険収載されるなど、歯科業界でもデジタル技術が普及し、それらを活用した補綴物製作が当たり前となってきている中、歯学生教育や卒後教育も大きく変化してきていると思われます。そこで、教育という観点から見ると、今後どのようなことに留意していく必要があるでしょうか?
A:CADCAM化の大きなメリットはまず教育にあります。補綴装置の形態が数値化されることによりそれを的確に学生には教えることができるようになります。
ただ単に数値化すればよいというわけではなくその数値化された形態の中にはどのような理論や経験がその背景にあるかをわからせるようにしなければなりません。
教育用アプリケーションや教育用のコンテンツ、バーチャル患者などの製作者には、名人と同等の技量を持ってほしいと思います。学生に的確に自分の持てるものを伝えることのできる名人が計算機の中にいる、その様な状況になってくれるといいと思います。
Q:すでに現在大学で取り組まれているデジタルに関する事項などがございましたら教えてください。
A:コロナの影響もあって、私共の大学ではCADによる配列の実習時間を長くしました。もちろんCAD上だけでは自分が実際に造るためには(本学では臨床実習で実際に作らなければなりません)いまいち不十分でそのあと実際に並べてもらうのですが、それはずいぶん早くかつ正確にできたと思っています。
研磨面形態の調整や、咬合調整、咬合調整の不備による義歯の動揺の再現ができる(すなわち永代と同様の口腔機能運動が再現できるとよい)といいと思います。
かなり大変ですが。
Q:歯科技工士不足の問題からもデジタル技術に期待を寄せる一面もあると思います。そこで先生から見た、製作側への期待や注意点をお聞かせください。
A:先ほどの述べたように、CADCAMが進歩したからと言って、われわれ歯科医師や歯科技工士はへたくそでもよいということは絶対にありません。
ただCADCAM化されることによりどの点を勉強すればいいのか、こうすればこうなるのか、といった学習がやりやすくなります。わたくしが約40年前に考えたのはこのようなことです。当時は実現など思いもよらなかったですが、今は実現できるような道筋が見えてまいりました。
まだまだひと山もふた山も越えなければなりませんが、実現させるのは我々の使命だと思っています。
Degital Denture Start UP in Japan 2020🌸開催決定
\ついに義歯臨床がデジタルの時代に/
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セミナーでは、3Dプリントデンチャーの臨床工程と実技を学ぶことができ、翌日から臨床でご利用できるサービスも発表されます。
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・プログラム概要
1.デジタルデンチャーの今と未来
2.ついに日本上陸!3Dプリントデンチャーの実践(臨床工程・実技・技工デザイン・実臨床での利用方法)
3.3Dプリントデンチャー開発者、南カルフォルニア大学Dr.Kimによる開発秘話と将来展望
・会期/参加費
① 2020年11月26日(木)20:00~22:40
② 2020年12月13日(日) 9:30~12:10
③ 2020年12月19日(土)19:30~22:10
歯科医師 (通常)23,000円
歯科技工士(通常)18,000円
学生割引 (通常)13,000円
企業・一般(通常)25,000円
・主催:株式会社バイテック・グローバル・ジャパン
・共催:クルツァージャパン株式会社
・協賛:株式会社松風/三井化学株式会社/三井物産株式会社/DENTCA Inc./Ackuretta Technologies Pvt. Ltd./株式会社SDL・HD/株式会社日本歯科商社