【人気動画】長期安定のための咬合構成を極める〜総合的な治療介入方法とは〜
今回は北九州市でご開業の上田秀朗先生が、長期安定させるための咬合構成について、実際の症例を基にインプラント、補綴、歯周外科、矯正治療と幅広い治療オプションの中から、何を選択して治療計画を立案するかなどわかりやすく解説していただいています。
今後、咬合再構成を極めていきたい方や、長期安定をはかるには何に気を付けたらよいのかなど悩んでいる方は是非動画をご覧ください。
理想とするゴールが見え、今後の臨床にに大きく影響すること間違いなしです!
第1章 理想と考える下顎位と咬合とは
●下顎臼歯部欠損の症例
10枚法での確認では、ペリオの状態は悪い状態ではありません。しかし左下8番を使ったブリッジが入っており、平面がヒップアップした形態となっています。
上顎前歯部は翼状捻転になっており、アーチの形状は右下がオープンで左下の前歯部はクラウディングしています。そのため、咬合に関しては非常に問題のある症例です。
【上田先生が理想と考える下顎位と咬合位】
・顎関節において関節窩・関節円板・顆頭の位置関係および形態が正常である
〔例えばパラファンクションのある患者さんでは顆頭の形態が以上であることが多いです。〕
・安定した咬頭嵌合位
・バランスのとれた咬合平面
〔適切なスピーの彎曲及びウィルソンの彎曲であることが重要〕
・左右対称の馬蹄連続性もった上下顎歯列 ・舌房が許容されるために十分な咬合高径である
・顆路角と連動するような咬頭傾斜角および展開角を持った咬合面形態
・左右側方運動において同じような咬合様式をとる
・自由度のある前方及び側方の誘導要素
【治療計画】
開業医で一番大切なことは治療後の状態を維持するための「メンテナンス」です!
【症例1】
下の写真のように矯正治療によって歯の位置関係を正しくするためにある程度のアライメントが必要になります。
その後インプラントの埋入を行なっていきます。その後の上部構造を作成する際に苦慮しないために、CT撮影を行い正確な位置にインプラントの埋入を行います。
そして下の画像が最終補綴となります。患者さん自身はインプラント治療に対し高額な金額を支払っているため、天然歯同様の歯が再現できるというイメージ思っています。そのため、主治医は正確なインプラントの手技が必要となります。
前歯の部分にはブリッジで補綴をしました。下の画像が全顎的なプロビジョナルレストレーションです。咬合再構成を行うためには、このような治療を全顎にわたって行う必要があります。
術前術後の写真です。まず咬合平面をしっかりと揃えることが重要です。そして上下顎の平面間です。セントラルフォッサラインを緩やかな馬蹄形にすることがしっかり噛ませるポイントとなります。そしてメンテナンスをきちんと行い、現状を今後も維持していくということが重要です。
上田先生の動画では、今回の症例について詳しく解説されていますのでぜひご視聴ください!
第1章 理想と考える下顎位と咬合とは
第2章 歯周疾患症例の咬合再構成
●骨格性Ⅲ級の症例
見た目を綺麗でとにかく噛めるようにして欲しいとのことで来院されました。
ペリオに大きな問題はありませんでしたが、上顎のアーチが狭く、下顎はボックス系のアーチになっています。また、右下4番と5番の歯頚線に段差があり非常に問題です。
その後2年2ヶ月後の再来院され、他院にて顎の手術をしたがあまり綺麗になっておらず、きちんと治療をしたいとのことでした。
矯正治療と歯周外科処置を行い、13ヶ月で下の写真のような状態まで改善させることができました。
そして下の画像が上下顎の咬合面です。アーチを緩やかな馬蹄形に揃えます。この患者さんは、治療が完了してから13年後でも治療直後の良好な状態を保つことができています。上田先生の動画では、矯正治療や歯周外科処置について詳しく解説していますので、ぜひご覧ください!
第2章 歯周疾患症例の咬合再構成
上田先生は、上記の症例のように歯頚線の整合性を獲得するためには、LOTとソフトティッシュマネージメントが必須であり、自分の手技として引き出しの中に入れておきましょうとおしゃっています。
そして咬合再構成をする上で最も重要なことは、
【最適な下顎位のもとで咬合平面を是正し左右対称な歯列を再現することであり、それが長期的な咬合の安定に繋がる】
ただしタイトな咬合はパラフェンクションを非常に起こしやすく、態癖には注意が必要です!
【歯周疾患症例の咬合再構成】
歯周疾患症例における咬合再構成の留意点!
歯周病に罹患した症例は歯牙が動揺し、水平的・垂直的に下顎位が非常に不安定である。
そのため、残存歯牙の動揺が収束しないと 骨支持のインプラントに過重な負担がかかる!
●症例1
右下のブリッジの動揺で来院。全体的にペリオの状態が悪く、アタッチメントロス、くさび状欠損、カリエス、根尖病巣などそのほかにもさまざまな問題点がありました。下の写真は、上下顎の咬合面です。
その後、歯周基本治療、エンド、矯正治療、ペリオオペ、インプラント治療、最終補綴の流れで治療を行なっていきました。そしてペリオの患者さんこそ治療後のメンテナンスが非常に重要となってきます。
左側が術前、右側が最終補綴まで行った写真です。術後の状態は、左右対称なアーチになっています。ペリオの状態も初診から12年経過しても安定した状態を保つことができています。
そしてペリオの患者さんに対しては、歯周環境の整備と咬合力の分配 が非常に重要であり、咬合力を分配し咬合の安定を図るために、支持組織が喪失した歯において、 補綴による連結固定を行う必要がある。と上田先生はおっしゃっています。上田先生の動画では、今回の症例の術式や治療の流れについて詳しく解説されていますのでぜひご覧ください。
第2章 歯周疾患症例の咬合再構成
第3章 多数歯欠損症例(咬合高径、舌房と発音障害)
●症例1
歯がグラグラするので歯を入れて欲しいという患者さん。ペリオの状態も非常の悪く、10枚方を確認しても残存歯はほとんど抜歯しなくてはいけない状態でした。
このようなペリオ重度の患者さんで一番問題なのが、顎堤が吸収してしまっているということです。逆に上の写真のような残存歯の状態であるということは、咬合力が弱いためインプラントを埋入させるには向いていると言えます。こちらの患者さんは、左上4番以外は全て抜歯をして、インプラントを行うこととなりました。そして下の写真は最終補綴の状態です。
咬合再構成を行い長期で安定させるために、顎口腔系になるべく負担がかからないように咬合再構成をする必要がある。そのためには、適正な下顎位のもとで、 バランスのとれた咬合平面・歯列を構築することが重要である、と上田先生はおっしゃっています。
最後に…
今回は、北九州市でご開業の上田秀朗先生の動画「咬合再構成を極める -歯列不正、歯周疾患、多数歯欠損を読み解く-」より、「長期安定のための咬合構成を極める〜総合的な治療介入方法とは〜」を紹介させていただきました。
上田先生の動画をご覧いただくことで、歯列不正や歯周疾患の症例、多数歯欠損症例をどう読み解くのか、咬合再構成の重要なポイントや理想のイメージできるのではないでしょうか。臨床で活かせるポイントが盛りだくさんの動画となっていますので、咬合再構成を極めたい!とお考えの方はぜひ動画をご覧ください!
最後までご一読いただきありがとうございました。
【北九州市でご開業の上田秀朗先生の動画「咬合再構成を極める -歯列不正、歯周疾患、多数歯欠損を読み解く-」】
第1章 理想と考える下顎位と咬合とは
第2章 歯周疾患症例の咬合再構成
第3章 多数歯欠損症例(咬合高径、舌房と発音障害)