今日から使える✨️魔法の言葉【ピンチをチャンスに!クレーム対応】

「なんだか患者さんの表情が曇っている…」
「受付で少し、不満そうな声が聞こえた…」
患者さんからのクレームや、その一歩手前の不満のサインを感じ取った時、思わず体がこわばってしまう…そんな経験はありませんか?
今回は「魔法の言葉シリーズ」の第3弾として、多くの歯科衛生士さんが苦手意識を持っている「クレーム対応」についてお話しします。
実は、クレーム対応って学校ではほとんど習いませんよね。だからこそ、いざという時にどうすれば良いか分からず、一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。
でも、大丈夫。 クレームは、正しい知識を持って向き合えば、「ピンチ」ではなく「チャンス」に変えることができるのです。
患者さんの本音を知り、医院のファンになってもらうための、とっておきの方法と“魔法の言葉”をお伝えしますね。
まず知っておいて !患者さんが不満を感じやすいポイント

新人の頃って、何で患者さんが怒っているのか分からないことがありますよね。患者さんの不満は大きく3つに分かれます。
1位:治療への不満(麻酔が痛かった、詰め物がすぐ取れた など)
2位:先生やスタッフへの不満(態度が横柄、愛想がない など)
3位:費用が高い(説明がない、相場より高い など)
技術的なことはもちろん、「言葉」や「態度」といったコミュニケーションの部分が、患者さんの満足度に大きく影響していることが分かります。
ピンチをチャンスに!クレーム対応がもたらす3つの良いこと

「クレーム=怖いもの」と思いがちですが、丁寧に対応することで、医院にとって3つの大きなチャンスが生まれます。
✅️ 患者さんの本音が聴ける:普段は聞けない貴重な意見をいただけます。
✅️ 医院の信頼度が上がる:誠実な対応は、かえって信頼に繋がります。
✅️ 医院のファンが増える:「この医院はちゃんと向き合ってくれる」と感じ、より強い信頼関係を築けます。
このチャンスを掴むための、具体的な4つのステップを見ていきましょう。
クレームを信頼に変える、4つのステップ
STEP1:「聴く」に徹する

患者さんが「痛かった」と言った時、慌てて「すみません、次は気をつけます」と遮ってしまい、余計に怒らせてしまったことはありませんか?
患者さんの「分かってもらいたい」気持ちを受け止めることから始めましょう。
【ポイント】
①話の腰を折らずに、最後まで聴く
②「はい」「ええ」「それはお辛かったですね」と、適切な相槌を打つ
相手が感情的になっていても、こちらは落ち着いたトーンで静かに話すことが大切です。
STEP2:心からの「謝罪」をする

「自分のせいじゃないのに謝るの?」と思いませんか?最初はみんなそう思います。でも大切なのは「感情の共有」です。
【OKな例】
⭕️ 「お辛い思いをされたんですね」(共感)
⭕️ 「ご不快な思いをおかけして申し訳ございませんでした」(謝罪)
【NGな例】
❌️ すみません、すみません」の連発
❌️ 「でも、普通は...」などの言い訳
❌️ 責任転嫁するような発言
STEP3:決断まで「寄り添う」

これが一番難しいところですが、患者さんとの信頼関係が一気に深まる瞬間でもあります。
1. 解決に必要な情報を集め、整理する
2. 可能であれば、2通りの解決策を提示する
3. 患者さんご自身で、どうしたいかを選択・決定してもらう
4. 最後まで、その悩みに一緒に寄り添う
一方的に解決策を決めるのではなく、患者さん自身に「選んでいただく」というスタンスが、納得感と信頼に繋がります。
STEP4:最後は「感謝」の言葉で終える

クレームは「悪」ではありません。不満や不安を、勇気を持って伝えてくださった「貴重なご意見」です。
最後は必ず、感謝の言葉で締めくくりましょう。
「正直な思いを伝えてくださり、ありがとうございます」
「〇〇様の貴重なお言葉を胸に、より良い医院を目指してまいります」
この一言が、患者さんの気持ちを和らげ、未来の関係をより良いものにしてくれます。
クレームを未然に防ぐ“魔法の言葉”

ここまで対応方法をお伝えしてきましたが、そもそもクレームにならないように、未然に防ぐことが最も重要です。 そのために、ぜひ使っていただきたいのが、この“魔法の言葉”です。
「些細なことでも構いませんので、気になることはお気軽にご相談くださいね」
治療後、少しでも表情が曇っていたり、何か言いたそうにしている患者さんをよく観察し、この一言を添えてみてください。
「こんなこと言ってもいいのかな…」という患者さんの心の壁を取り払い、小さな不安が大きな不満になる前に解消するきっかけになります。
ピンチをチャンスに✨️クレームを未然に防ぎ、信頼関係を築く魔法の言葉です。
患者さんとのコミュニケーションを深める。おすすめ動画のご紹介

今回ご紹介した内容は、クレーム対応の基本的なステップです。しかし、実際の臨床では、さらに複雑なケースや、より深い心理的なアプローチが求められる場面もありますよね。
「もっと自信を持って患者さんと向き合いたい」
「スタッフみんなで、対応レベルを統一したい」
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この連載では、歯科衛生士の日々の臨床に役立つヒントを、やさしく丁寧にお届けしていきます。
次回も、ぜひお待ちくださいませ。