【医院に聞く】スタッフの雰囲気が経営を左右する
ルミネ千住歯科クリニック 荻原 尚樹 院長
東京都足立区千住旭町42-2 ルミネ北千住店9階
はじめに
「採用したスタッフがすぐ辞めてしまう。」
「どうすれば、スタッフに長く働いてもらえるのだろうか」
そんなお悩みをお持ちの院長も多いのではないでしょうか。
採用回数が増えればそれだけ手間とコストがかかりますし、スタッフには長く働いてもらいたいですよね。
勤続10年以上のスタッフが多数在籍するクリニックの事例から、
「スタッフに長く働いてもらうための院長マネジメント術」を紹介します。
スタッフはクリニックの考え方・姿勢を体現する
まずクリニックに入って一番に感動したことが、スタッフの皆さんの感じがとてもよいということです。何か特別なことをされているのですか。
ありきたりかもしれませんが、「リッツカールトンの究極のホスピタリティ」をスタッフに読んでもらっています。読むだけではなく、実際にそのホスピタリティを体感してもらうために、リッツカールトンで食事をする機会も設けます。その体験で感じた良いと思ったことを、当院での対応にどんどん取り入れてもらうようにしています。私が指定した書籍を読んでもらう、外部から講師を呼んで研修する、他院の見学に行く、などの取り組みもしています。
そこまで力を入れる理由は何でしょうか。
クリニックの雰囲気は“経営を左右する”と考えているからです。結局のところ、対応の悪いクリニックは患者の皆様に選ばれなくなります。究極的には、スタッフの対応は、クリニック全体の考え方や姿勢を体現するものだと思います。
こんなにも雰囲気が良いと、スタッフの方々の定着率もよさそうですね。
はい。勤続が10年になるスタッフも何名かいます。人材の確保が難しいといわれている中で、幸いにも当院は4年前にスタッフを採用して以来、欠員補充することなく今に至ります。ドクターに関しても、人材確保に困ったことはありません。
スタッフに長く勤めてもらうために、取り組んでいらっしゃることはありますか。
まず大前提として、当院の「医院理念」に共感してくれる方を採用するということです。皆がベクトルを合わせてクリニック運営していくために、とても重要なポイントだと考えています。ここに納得できない方を採用しても、結局辞めてしまうでしょう。
共感しているかどうかは、なかなか面談で見極めるのは難しいのではないですか。
当院ではそういった見過ごしがないように、自分だけが面接をするのではなく、スタッフにも採用活動に参加してもらっています。視点を変えながら面接することで、その応募者の本当の姿が浮き彫りになってきます。あとは、できるだけバックグラウンドの知れた人を採用するようにしています。
バックグラウンドが知れた人、というのは具体的にどういうことですか。
ドクターに関して言えば、研修医も含め、大学時代に所属していた部活のつてで紹介してもらうことが多いです。もう何年も紹介してもらった実績があるので、採用される側もする側もお互いに安心です。当院で研修した先生の多くは、そのまま当院で働きたいと言ってくることが多いですね。そういう意味で、研修時に「このクリニックで働きたい」と思ってもらうよう意識しています。
スタッフのモチベーションは “承認” と “密なコミュニケーション” で上げる
マネジメントで気を付けていることはありますか。
とにかく、コミュニケーションを密に取るようにしています。特別な話題を用意しなくても、些細なことでも声をかける、または承認するということが大事だと考えています。当院では3か月に1度の面談を実施しており、その時間もコミュニケーションの貴重な場です。また、スタッフに何かしてもらう時は「何故、それをやるのか。何故、それが必要なのか」をしっかり説明するよう心掛けています。
定期面談ではどのようなことを話すのでしょうか。
数年前までは、目標設定とその進捗を確認する場として活用していましたが、今は「困っていることはないか」「チャレンジしたいことはないか」などの要望を聞くほか、そのスタッフの貢献を承認することに注力しています。
何故、今は目標進捗の確認に比重を置いていないのですか。
目標をガチガチに決めてそれを追いかけていく、というスタイルが合わないスタッフもいると気づいたからです。もちろん、そういったスタイルでモチベーションが上がる人もいます。ですが、人の考え方や感じ方は多様です。自分がいいと思ったマネジメントが全てのスタッフにフィットするとは限りません。今は、個々に合わせたマネジメントを行うように切り替えています。
目標設定をして結果を見ていかないと、評価が難しいのではないですか。
スタッフの行動のベースとなるのは、「医院理念」です。皆がここを意識すれば、おのずと最高の結果が生まれてきます。当院のスタッフはこの医院理念に沿って仕事をしてくれていますから、私の役割は、それを阻害する要素を取り除いていくことです。
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