口腔がんの鑑別ポイントと医科との医療連携の実際│莇生田 整治先生
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*2021年5月28日にLIVE配信されたクリニカルカンファレンスの講演内容です。
莇生田先生より、口腔がんの鑑別ポイントと医科とどのように医療連携を行っているかをご説明いただきます。
本動画の中で、口腔がんの鑑別診断、白板症の鑑別診断、鑑別困難症例、慶応病院での医科との集学的治療の
4つのテーマに沿って解説いただきました。
まず、口腔がんと歯周炎、再発性アフタなどとの鑑別診断のポイントを教えていただきました。
口腔がんの場合、「硬結がある」「境界が不明瞭」「不均一な白斑がある」「紅斑を認める」「易出血性の潰瘍がある」
といった兆候があるかがポイントとなるそうです。
また、口腔がんの場合、2週間以上治癒ぜず、増悪しているというように経過が長くなります。
病変を発見したときは、病変には触れず、2週間程度経過をみることが重要と教えてくださいました。
その際には、刺激の除去(歯の鋭縁削合、義歯調整など)や感染との鑑別のために抗菌薬の処方が有効となるそうです。
一方、がんを拡散する可能性がある、切開や抜歯、レーザーなどの外科的侵襲は加えないこともポイントとして挙げられています。
次に白板症の鑑別診断についてお話しくださいました。
白板症の臨床分類は、均一型と不均一型に分類され、均一型はあまり悪性のものはありません。
不均一型の場合、前がん状態や既にがんになっていることもあります。
鑑別困難症例として、下顎顎骨中心性癌と外向性腫瘤を症例画像を用いてお話しくださいました。
下顎顎骨中心性癌は、鑑別診断における悪性の兆候に一部当てはまりますが、視診での鑑別は困難という症例です。
外向性腫瘤には、良性のエプーリスや悪性の悪性リンパ腫、転移性癌があり、鑑別の難しい症例を紹介していただきました。
このような症例や白板症の前がん病変において、悪性腫瘍の鑑別は非常に判断が難しいです。
初期の口腔がんの診断は不可能であり、あえて口腔がんを診断する必要はないと先生はおっしゃっています。
2週間以上治癒しない場合は、専門機関に紹介することが大切とのことです。
がんの治療法には、手術、化学療法、放射線療法、免疫療法があり、これらを全て一緒に行うことを集学的治療といいます。
歯科では手術がメインとなるため、各科連携による集学的治療を行うことが重要となります。
舌癌でQOLを重視した超選択的動注下顎放射線療法を行うため、放射線診断科・治療科と連携し、
集学的治療を行った症例を紹介してくださいました。
また、頭蓋底センターでの、脳外科の経頭蓋アプローチと歯科の経口腔アプローチを併用した
顎関節腫瘍摘出術の症例もご提示いただいています。
慶応病院の特徴として、がんゲノム医療中核拠点病院の一つになっています。
そのため、口腔がんにおいても臨床研究として無料で遺伝的解析を実施できるそうです。
このように、慶応病院における口腔がん治療のメリットは、ほぼすべての分野を網羅した集学的治療が行えることだそうです。
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