医科との医療連携を考慮した歯科医療の実際│森川 暁先生
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*2021年5月28日にLIVE配信されたクリニカルカンファレンスの講演内容です。
森川先生より、先生方が行っている医科歯科連携の実際を症例を通してご説明いただきます。
本動画は、2018年歯周病新分類からみる糖尿病・高感度CRP(慢性微小炎症)と歯周病、糖尿病患者における歯周治療の意義、
先制医療としての歯科医療の可能性の3つのテーマに沿って解説していただきました。
2018年、アメリカ歯周病学会とヨーロッパ歯周病学会により、歯周病の新分類が提案されました。
これまでの歯周病分類と違う点である、ステージング分類とグレーディング分類が示された点について、解説していただきました。
ステージ分類は現在の歯周組織の破壊と範囲(疾患の重症度)を表しています。
新しい概念であるグレード分類では、歯周病の進行度や悪化のリスク、全身健康への潜在的リスクを表しています。
このグレード分類では、糖尿病のHbA1cや慢性微小炎症のマーカーである高感度CRPが指標として提案されました。
このことは、歯周病と糖尿病、慢性炎症が関連していることを示唆しているとのことです。
ステージングとグレーディングによる歯周炎患者のプライマリーゴールは、積極的な医科歯科連携です。
積極的な医科歯科連携として、最も私たちが対応しなければならないのが糖尿病であると、先生は考えられています。
2型糖尿病では、歯周治療により血糖が改善する可能性があり、推奨されます。
歯周病を定量化するために2つの指標があります。
PESA(歯周ポケット上皮の表面積)とPISA(PESAの粘膜下結合組織が歯肉縁下プラークに暴露しうる炎症表面積)です。
歯周治療の経過とともに、PESA、PISAが減少し、HbA1cも低下傾向を示したという症例を紹介してくださいました。
糖尿病の管理には、食事療法を中心とする生活習慣の是正が有効です。
肥満で肥大化した脂肪細胞周囲にはマクロファージが集積し、TNF-αやIL-6が分泌されます。
また、歯周疾患が治療されていない場合にも、TNF-αやIL-6が分泌されます。
これら炎症性サイトカインによって、細胞内へのブドウ糖の取り込み障害が引き起こされ、糖尿病が発症します。
さらに、肥満の原因として、歯の喪失による咀嚼機能障害が関連していることもあるそうです。
咬合・咀嚼障害があることによって、栄養指導による食生活の改善が妨げられてしまいます。
歯科医師は、歯周治療によって口腔の炎症を取り除くことと口腔機能回復(補綴治療)を行うことで、
糖尿病患者へアプローチすることができると教えてくださいました。
歯周病はその他の全身疾患との関連性も指摘されており、今回は冠動脈性心疾患との関連性を論文をもとに解説いただきました。
歯周治療を適切に行うことは、全身の炎症状態の改善に貢献できます。
そして将来的に、全身疾患の予防医療として歯科医療が有効となり、医科歯科連携がより重要となるだろうと教えてくださいました。
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