再生療法でHopelessの歯を残す #2
- 価格
- 2,200円〜(税込) (D+会員 1,760円〜(税込))
- 付与ポイント
- 1% (通常:20pt〜 D+会員:16pt〜)
-
引き続き、歯周基本治療で状態改善ができた症例を紹介してくださいました。
上顎前歯部に著しい歯槽骨破壊が生じている症例です。
左上12番はその後の予後を考え抜歯となりました。
ですが歯周基本治療と矯正治療で、初診から5年経過した現在も、右上3番、左上3番、右上1番は、残すことができたそうです。
このように、歯周基本治療で十分に効果を発揮する症例もありますが、なぜ再生療法が必要なのでしょうか。
それは、歯周基本治療でも十分な効果が得られず、進行抑制ができないことがあるからだと教えてくださいました。
次に本動画のテーマでもあるHopelessの定義についての文献を紹介してくださいました。
McGuireとNunnが発表した文献では、Hopelessの定義を「維持するのに不十分なアタッチメント」としています。
KwokとCatonの文献では、Hopeless の定義を「抜歯されるべき状態」としています。
これらは、あいまいな表現で、判断が難しいです。
最近、Kwok and Catonの予後予測の予測精度を分析した研究論文が発表されたそうです。
ここでHopeless と判断された歯の喪失割合は約83%であり、多くの歯は残すことが難しいということが分かります。
Hopelessの歯を、歯周組織再生療法群と抜歯・補綴群に分類し、10年後の評価を行ったという
最近出版された文献を紹介してくださいました。
10年後の累積生存率は、歯周組織再生療法群が88%でした。
また、合併症発生までの期間は、歯周組織再生療法群と抜歯・補綴群で有意差はありませんでした。
これらのことから、再生療法はHopelessの歯の予後を変えるということを教えてくださいました。
60歳男性で、左下6番根分岐部病変2度、患者さんの抜歯・補綴治療は嫌だという希望により、
SPTで管理した症例を紹介してくださいました。
2年後に3度に進行し、14年後に痛くて噛めない状態になり、骨造成なしでインプラントを埋入したそうです。
根分岐部病変は予後を悪化させる重要な因子です。
もし、根分岐部病変が進行する前に再生療法を行っていれば、この歯は今も口腔内で機能していたかもしれません。
再生療法の適応は、垂直性骨縁下欠損の場合、3mm以上の骨縁下欠損とされているそうです。
3壁性、2壁性、1壁性の順に適応で、骨欠損の角度は22度以下、22~45度、45度以上の順に結果が良いです。
骨欠損の深さは、深いほうがより適応になります。
システマティックレビューをまとめると、根分岐部病変は、1度は上下顎共に再生療法可能、2度は上顎頬側で再生療法推奨、
上顎近遠心側は可能だが不確実、下顎は推奨、3度は上下顎共に再生療法は推奨されないと教えてくださいました。
しかし先生は、Hopelessの歯でも再生療法で残せる歯があるはずで、たとえ100%成功しなくても予後改善は可能であるとと考えています。
Doctorbook academy
本サイトは、歯科医療に従事されている皆さまを対象に情報提供するサイトです。
あなたは歯科医療従事者ですか?
※一般の方は患者向けサイトDoctorbook をご覧ください
Facebook ログインの確認
Doctorbook academy は Facebook ログインをサポートします。
Facebook アカウントより必要な情報を取得します。
許可する場合、YES を押して Facebook 連携に進んでください。
誤って Facebook ログインを選んだ場合は NO を押してください。