再生療法でHopelessの歯を残す #5
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前回の動画の最後に紹介してくださった症例の続きです。
CT所見でも、分岐部内は不透過像で埋められていました。
しかし、近心分岐部には、透過像が残っている部分があるそうです。
そのため、今後歯周ポケットが増えてきたり、分岐部病変が再発するようであれば、リエントリーも検討しなければならず、
今後の課題として経過観察を行っていくとのことです。
それでも根分岐部病変が3度から1度へ改善したことは、先生は十分に価値のあることだと考えていらっしゃいます。
次は、セメント質剥離(セメンタルテアー)の症例を紹介してくださいました。
歯根全体に及ぶセメント質剝離や根尖部の剥離は、保存不可能で抜歯となります。
しかし、一部の剥離であれば、再生療法で歯を残すことができるのではないかと、先生は考えられています。
57歳女性、右上1番近心歯周ポケット7mm、レントゲンにて、近心に垂直性骨欠損が確認されました。
歯科衛生士がルートプレーニングを行った際に、歯周ポケット内から硬い破片が出てきたということでした。
そのためセメント質剥離を疑い、CT撮影を行ったそうです。
右上1番近心に2壁性の骨欠損が認められ、浮いたような不透過性の粒も確認できました。
本症例は舌側に骨欠損がなかったため、フラップデザインはM-MISTを用いたそうです。
実際の術式を、動画にて紹介してくださいました。
フラップを開け、浮いている剥離したセメント質を確認し、根面はすりガラス状になっていました。
また、左上1番も骨欠損があり、この中にも剥離したセメント質が浮いていました。
徹底的にルートプレーニングを行い、平坦な新鮮面の歯根を出します。
そこにリグロスを入れ、欠損部にβTCPを填入したそうです。
最近の症例で、まだ経過は浅いそうですが、術後のレントゲン所見では、不透過性の亢進が見られ、歯周ポケットは3mmです。
歯間乳頭の退縮も最小限で抑えられており、今後も経過観察を行っていくそうです。
最後に、歯根外部吸収の症例を紹介してくださいました。
62歳女性、右上4番が歯根破折のため抜歯後インプラント予定で、インプラント診査のためCTを撮影しました。
その際、右上3番に歯根外部吸収らしい像が見られました。
通常であれば、右上3番も抜歯してインプラントとなってしまいますが、この歯に再生療法を試みたそうです。
右上4番にGBR術を行う際、同時に右上3番にリグロスを使用して骨増生を試みたそうです。
Decortication後、リグロスを塗布、欠損部にBioOssを填入し、Bio-Gideで欠損部をカバーしました。
減張切開後、フラップを歯冠側移動して縫合しました。
インプラント埋入から5か月後、インプラント周囲、右上3番遠心に不透過像は見られていないそうです。
今後もレントゲンで経過をみていく必要があるとのことです。
再生療法において、骨欠損部が100%再生した歯周組織で埋められることが理想です。
しかし臨床的に考えた場合、失われた歯周組織が60%でも再生されれば、十分に価値のあるものだと、先生は考えています。
まとめとして、再生療法を成功させる要素を教えてくださいました。
注意としては、難症例では再生療法が成功しないこともあるため、インフォームドコンセントが大切とのことです。
Hopelessの歯でも再生療法で予後が改善し、残せる可能性があるということを教えてくださいました。
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