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喫煙は歯周病の最も重要なリスクファクターの一つです。
まずは、症例をご覧ください。
初診時38歳男性、歯周病が38歳にしては重度、喫煙者で1日1箱以上、かなりヘビースモーカーです。
禁煙はうまくいかず、禁煙補助薬を使ってもなかなかやめられません。
歯周基本治療が終わり、それなりに治療は進んでいたので外科など次のステップを検討していたところ治療を中断してしまいました。
4年後、やはり歯周病の治療がしたいということで再来院されました。
以前よりも状態が悪く相変わらず喫煙をしており、喫煙者特有のメラニン色素メラニン色素沈着な所見もみられます。
動画内では、初診時と再来院時のレントゲン写真を比較し状態の変化を解説されています。
喫煙は口腔衛生の悪化、免疫機能の抑制、血流の悪化、炎症性サイトカインの産生などの影響があり歯周組織に悪影響を及ぼします。
喫煙者は非喫煙者に比べて1.85倍歯周病の有病率が高く、治療反応も悪化します。
以前は喫煙関連歯周炎という独立した病名でしたが、2017年に喫煙は歯周炎のリスクファクターと位置づけられました。
喫煙者の治療反応について論文を用いて解説してくださいました。
喫煙者は非喫煙者に比べ基本治療の成績が悪く、ポケット減少量が0.33mm少ない
アタッチメントレベル減少量が0.2mm少ないことが示されています。
また、非外科的治療後のポケット4mm以上の残存率が70%と高く、非喫煙者の50%に比べて治癒率が低いです。
禁煙すると治療効果が向上し、ポケット減少量が0.3〜1.1mm、アタッチメントレベル減少量が0〜0.2mm良好になります。
また、元喫煙者と非喫煙者の歯の喪失リスクはほぼ同等ですが、喫煙者は非喫煙者に比べて2.6倍高くなります。
したがって、禁煙は歯周病治療の成功に不可欠です。
禁煙は容易ではありませんが、専門家によるカウンセリングと禁煙補助薬の使用が有効です。
内服薬チャンピックス(バレニクリン酒石酸塩)は68%の禁煙成功率がありましたが、現在は出荷停止中です。
代替としてニコチンガムやニコチンパッチなどを使用することが推奨されています。
ヨーロッパ歯周病連盟によるガイドラインでは歯周治療の禁煙介入を推奨しています。
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