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                  糖尿病とは、インスリンの作用が不十分なために生ずる代謝障害で慢性的に血糖値が上昇した状態をいいます。 
 重症化すると、意識障害、昏睡にいたることもあり、様々な合併症を引き起こす可能性があります。
 糖尿病には1型と2型があり、それぞれの特徴については動画内でご確認ください。
 
 まず、歯周病が糖尿病に与える影響についての解説です。
 歯周炎による炎症性サイトカインが全身に回り、膵臓のインスリン抵抗性を増加させ血糖値を上げるメカニズムが考えられています。
 一方糖尿病が歯周病に与える影響としては、免疫機能の低下、炎症反応の亢進、コラーゲン代謝異常、微小循環障害があげられます。
 終末糖化産物の蓄積とその受容体(RAGE)との相互作用が重要な役割を果たしているのです。
 
 システマティックレビューによると、糖尿病患者は非糖尿病患者と比べて歯周炎の有病率が1.85倍高いことがわかっています。
 さらに、1型糖尿病と2型糖尿病を合わせた研究では2.6倍
 2型糖尿病のみでは1.7倍
 妊娠糖尿病では1.95倍高いことが示されています。
 
 人種別では、アジア人は1.67倍高く、若年層ほど影響が大きい傾向にあります。
 糖尿病患者の歯周炎症状は、非糖尿病患者の症状と見分けがつきにくいです。
 したがって、糖尿病は喫煙と並んで重大な歯周炎のリスクファクターに位置づけられました。
 
 次に、糖尿病の歯周治療への影響について研究データを紹介していただきました。
 2型糖尿病患者に対する通常の歯周治療は反応が良好です。
 1型糖尿病患者の血糖コントロールが不十分な場合は反応が悪くなる可能性があります。
 しかし、基本的には歯周組織の改善は得られるとされています。
 全顎的な治療や抗菌剤を用いた治療、外科処置後の経過にも、糖尿病の有無による大きな差はないという報告もありました。
 
 血糖コントロールが良好な場合は、歯周治療後の7mm以上のポケット減少に有意な改善が見られます。
 しかし、不良な場合はその効果が低下する可能性があります。
 ヨーロッパ歯周病連盟によるガイドラインでは、歯周治療中の患者に対する血糖コントロールへの介入を強く推奨しています。
 詳しい介入方法については動画内でご確認ください。
 
 日本歯周病学会のガイドラインでは、血糖コントロール良好な糖尿病患者に対する歯周外科治療を弱く推奨しています。
 これは、主に心臓外科や整形外科領域の手術における合併症リスクを参考にしたものです。
 HbA1cが7%を超える場合は、より慎重に対応する必要があるとされています。
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