井上敬介先生によるORT塾、第一回目の講義です。
このコースでは1年間かけてORT（オーラルルートセラピー）矯正について学びます。
今回は、ORT矯正の理念である「真の健康」がテーマです。
真の健康に対し、現代の医療が提供している表面的な健康について述べられています。
 
井上先生は、どのような思いからORT矯正の理念に辿り着いたのでしょうか。
きっかけは、大学病院補綴科での勤務医時代にありました。
口腔の終末像を約10年間見届けてきた経験から、医療の現状と向き合い、医療の本来あるべき姿に疑問を抱かれたそうです。
その一例として、1990年代に60代70代の患者さんに施されたインプラント治療の追跡記録があります。
高度なインプラント治療を実施したにもかかわらず、その先には歯の脱落が繰り返される現実。
ここで我々は問わねばなりません。
高度な医療技術の提供自体を目的とすることは、本当に正しいのでしょうか。
動画では、初診時から口腔の終末期に至るまでの記録が示されています。
受講者たちは自身の将来と向き合いながら、それぞれの抱く真の健康について活発な議論を展開しています。
 
重要な事実として、むし歯治療だけでは患者数の減少には至りません。
ニュージーランドの福利厚生に関する研究でも、治療率の向上のみでは十分な健康福祉対策とはならないことが示されています。
治療はあくまでも手段であり、目的ではないのです。
患者さん自身が健康観を変えていくために、我々医療従事者はどのような医療を提供すべきでしょうか。
動画をご視聴の皆様は、ぜひ10名の受講者と一緒に考えてみてください。
 
人生100年時代を迎え、むし歯や歯周病による歯の喪失がない時代が既に始まっています。
ORT矯正の理念と井上敬介先生の使命は、次世代を担う受講者たちへと受け継がれていきます。
根本的な原因の究明から行動変容に至るまでのプロセスを、共に学んでいきましょう。
明日からの臨床でお役立ていただけると幸いです。