ORT矯正は1年3カ月にわたる治療プログラムです。
初診カウンセリングから資料採取、診断カウンセリング、SUP・TRPと再評価、最終カウンセリングまでの時系列で進めます。
歯周治療の「基本治療→補綴治療→メンテナンス」の流れを、小児矯正に応用した形で理解できます。
 
治療成功の最も重要なポイントは「根本原因の早期改善」です。
特に上流原因（A・B）は全体の約9割を占め、鼻閉・口呼吸、舌小帯短縮症、咬合異常などは短期集中で対応することが重要です。
例として、鼻閉には食事・栄養・睡眠改善プログラムを実施し、舌小帯短縮症には外科的処置を行います。
これらが解決されないまま筋機能訓練（OMT）を実施しても十分な効果は得られません。
 
中流の代償性原因には、全患者にOMTを実施し、口唇閉鎖・正しい舌位・鼻呼吸の習慣化を図ります。
また、骨格形態の改善が必要な場合には、バイオブロック装置などの機能的矯正装置を適切なタイミングで導入します。
本編では「どのタイミングで何を行うと最も効果的か」という治療戦略を示し、無駄や停滞を防ぐ方法を明確にしています。
臨床で即応用できる内容であり、ORT矯正を基礎から学びたい歯科医師・歯科衛生士にとって非常に有益な内容となっています。