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4日目:アメリカ歯内療法学会2019《参加レポート》

2019年5月13日(月)

AAE(アメリカ歯内療法学会)の年次総会の参加レポート4日目です。


3日目はこちら


 


目次


学会4日目


1:Dr. Louis Lin


2:Dr. Jean Yves Cochet


まとめ


 


 


学会4日目


学会最終日で本当はこの日も朝から講演を聞きに行く予定であったが、大学の同級生で東京歯科大学病理学講座からトロント大学に出向している中島啓先生が地元の美味しい料理と観光を勧めてくれた。


朝から電車を乗り継ぎモントリオール名物のスモークミートを食べに行った。


海外の方は肉はよく焼いて食べるイメージがあったのでスモークミートも固くてパサパサした感じかと思っていたが非常に柔らかくジューシーであった。



天気の良い日にこのサンドをもって外でビールでも飲んだら最高だろう。


午後の講演まで時間がまだ余っていたためノートルダム聖堂も見てきた。本家の大聖堂は現在火災のため一部消失してしまい残念な限りである。



荘厳で静謐な雰囲気であるが、非常に美しく圧倒された。ボキャブラリーが貧困でこの素晴らしさが伝わりにくく申し訳ないがステンドグラスの色使いと光の入り方が素晴らしく正に芸術とはこういうことを言うのだと思った。


 


1:Dr. Louis Lin


「REATMENT OF MATURE PERMANENT TEETH WITH IRREVERSIBLE PULPITIS A FORGOTTEN VITAL PULP THERAPY」



私にとっては今回のAAEで最も聞きたかった講演である。スピーカーはニューヨーク大学のディレクターであるDr.Lin。


VPTの変遷としては以前は幼若永久歯(根未完成歯)のみの適応であり、近年になりその適応症は根完成歯にまで広がって一般化している。


そして最近ではタイトルのように不可逆性歯髄炎と診断された歯牙にVPTを行い高い成功率であることが示された研究が散見される。


未だにさらなるランダム化比較試験を用いた研究やシステマティックレビューが示される必要はあり、安易に飛びつくのは危険である。しかしながら医学の進歩をとても感じることができる内容である。


結論としてDr.Linは不可逆性歯髄炎と診断された患者の治療はVPTが抜歯や根管治療の代替治療としてのオプションとしてされるべきであり、特にまだ若い患者や、経済的に困難な患者においては特にそうであると述べた。


またVPT後の1つの懸念として根管の石灰化に関して質問がなされたが、講演を聞きに来ていたDr.Ricucciから「生じる場合もあるが、多くの場合では石灰化は生じないし、生じたとしても歯内療法専門医であれば対応可能であろう」との意見が示された。筆者も全く同意見である。


 


2:Dr. Jean Yves Cochet


「PIEZO SURGERY AND GTR EMERGING TECHNOLOGIES IN ENDODONTIC MICROSURGERY FOR BONE REGENERATION」



Dr. Cochetは医師/歯科医師のダブルラインセンスをもっており専攻は耳鼻咽喉科とのことだ。アメリカにおいては歯根端切除でも上顎洞に穿孔した場合は、下級的に触らないがDr.Cochetの場合は積極的に触るらしい。


この講演においてはエンドにおける危険領域、上顎では上顎洞、下顎ではオトガイ孔及び下歯槽神経周囲などでのピエゾトームの有用性が示された。


本年の10月に「エンドにおける上顎洞領域の取り扱い」のタイトルでハンズオンセミナーを行うため来日され、筆者も参加予定で今回ご挨拶をさせていただく機会もあり非常に楽しみである。


 


まとめ



歯内療法は他分野と比較しエビデンスが出やすく、かつ根管治療においてはほぼ研究し尽くされその限界も示されてきたと感じる。


そのため今回のAAEの参加目的は根管治療に関し新しいことを学びに来たというよりかは比較的新しい事がわかってきた事や、日本において中々教育を受ける機会の少ない外科処置や判断の難しいケースでの判断方法を学びに来たと言える。


また自分の行っている臨床が現在のコンセンサスと著しくずれていないかも確認したかっという意味合いもある。図らずも級友とも合うことができ観光、グルメと大満足であった。



後日談ではあるが、帰りのフライトでは直行便が取れずトランジットであったのだが、1つめのフライトが急に欠航となり結局日本に着くまで18時間ほどかかって大変であった。


日本に到着し、成田空港から自宅に帰る途中、アジア系の外国の方に地下鉄の行き先などで聞かれた。色々お話をさせてもらうとニューヨークで医師をされていて息子さんは南カリフォルニア大学の口腔外科大学院にレジデントとして在籍されているとのことであった。日本と米国のライセンスシステムの違いなどでお話をさせてもらうい非常にたのしかった。


このような国際学会にはまた何年か一度は参加したい。



来年のAAEはナッシュビル(アメリカ西部にあるテネシー州)で開催されるので参加されてはいかがでしょうか!?


歯内療法専門医 寺岡 寛


 


 


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