3日目:アメリカ歯内療法学会2019《参加レポート》
AAE(アメリカ歯内療法学会)の年次総会の参加レポート3日目です。
2日目はこちら
目次
1:Dr. Adham A Azim /Dr.Scott Doyle /Dr.Mohamed Fayad /Dr.Philip Michaelson
3:Dr. Mohamed Fayad /Dr.Mattew C Davis
4:Dr. Samuel Kratchman /Dr.Ya Hsin Yu
1:Dr. Adham A Azim /Dr.Scott Doyle /Dr.Mohamed Fayad /Dr.Philip Michaelson
「DIFFICULT CASES. DIFFICULT DECISIONS! AN INTERACTIVE CASE-BASED TREATMENT PLANNING SESSION」
歯内療法専門医でも難しいケースでの処置方針や処置方法が臨床的に示された。
特にクラックや破折がある歯牙でのマネジメントに焦点が当てられており、筆者が一番感銘を受けたのがDr.Philip Michaelsonが言っていたエビデンスが少なく弱い≠エビデンスが存在しない、とエビデンスがない≠予後が悪いと言うことだ。
専門医でも判断に迷うケースはあるが、患者にそれを伝え一緒に治療計画を立案していくことが重要に感じた。
2:Dr. Stephane Simon
「PULPOTOMY AS A FINAL TREATMENT IS IT PREDICTABLE?」
覆髄における成功の鍵は炎症の状態/感染のコントロールで有ることを述べており、診断における1つの要素として露髄時の象牙芽細胞層の状態を見ることが重要だと述べていた。
また覆髄は従来の根管治療の代替方法として考えるにはより多くの研究が必要とも述べていた。覆髄に関する研究は多いものの、長期経過のある研究数はまだまだ根管治療に比較すると少ないためであろう。
3:Dr. Mohamed Fayad /Dr.Mattew C Davis
「CRACKED TEETH NEW PERSPECTIVES ON DIAGNOSIS, CBCT IMAGING, TREATMENT STRATEGIES, AND OUTCOMES」
クラックのある歯牙に関する処置方針は専門医でも迷うことがあるが、クラックが存在するものの根管治療をしたものに関する予後研究はいくつかあり、その予後は想像より良いものであった。
肝要な点としては破折とクラックの鑑別であろう。クラックや破折はCBCTで直視することはできないが、垂直的な骨破壊が続いている場合は破折がより疑われる可能性が高い。
4:Dr. Samuel Kratchman /Dr.Ya Hsin Yu
「INTENTIONAL REPLANTATION WITH STEP-BY-STEP DEMONSTRATION」
Dr.Kratchmanはペンシルバニア大学歯内療法科の准教授であり日本に何度も講義にきている。
タイトルにある意図的再植は歯内療法における最終手段として用いられる場合が多く非常に有効な方法である。第二大臼歯では歯根端切除は器具が物理的に入らないのでこの意図的再植が適応となることが多い。
実際のは術式をステップ・バイ・ステップでデモンストレーションしわかりやすかった。
またDr. Ya Hsinから軟組織や骨の治癒に関して解説がなされ非常に勉強になった。
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