【人気動画】破折天然歯の保存!?接合上皮内マージンの症例を解説
1.他院で抜歯を勧められた症例
他院で抜歯後のインプラント補綴を勧められた症例です。レントゲン上でも近心のコアと同程度の深さまで及んだ垂直性の骨欠損が認められ歯根破折の可能性が高いと考えられます。
実際にコアを除去すると近遠心に破折線が認められました。この状態で遠心部に深いポケットがない事から根がセパレートしている状態でないと判断しました。予知性は低いものの保存の可能性を説明し、最終補綴は連結になることを理解していただき治療を開始しました。
2.治療結果
こちらは術後3年6ヶ月時点での経過です。コアの接着の方法や最終補綴の設計、マージン位置を工夫した結果現在も症状なく使用出来ています
3.歯周組織の考察
辺縁歯肉は様々な形でバクテリアなどの異物が体内へ侵入することを防いでいます。
体内と体外を分けている歯肉溝では多くの感染防御機構が働いています。
最終補綴を工夫することによって細菌侵入が起こりにくくなっていることが炎症が消失した理由として挙げられます。
歯根破折しているとしても細菌侵入を無くす、もしくは可及的に減少させることで生体の防御機構により保存の可能性があると考えられます。
動画では大臼歯における破折において同様の方法で保存した症例も紹介していただきました。歯根破折において保存の可能性に関して学びたい先生方はぜひ動画を参考にしてみて下さい。