日本予防歯科勉強会2019年度総会【参加レポート】
1日目にはJohnMew先生をお呼びして、口腔機能の発達不全を起こしたまま成長した顔面の成長の診断「Reading Face」と原因へのアプローチについて再考していった。
John Mew先生は、「フェイシャル・オーソトロピクス」という概念のもと、長年にわたり「顔と歯列の自然な成長」「不正咬合の原因」について研究・臨床に取り組んでこられた。
今回は、「オーソトロピクスの概念」「顔と歯列の自然な成長」「不正咬合の原因」「顔を読む」などについての講演が行われた。
まず、小児の顔面の発育について、良好な発育と、残念ながらそうはいかなかった状態と、何がどのように違うのか、良好な発育とはどんな状態なのかについてを、症例写真のみならず自身の経験したエピソードを交えながらわかりやすく解説。
また、不正咬合の原因は何であるかについて、歴史上の様々な著名な研究者の論文を提示しながら「ポスチャー」が重要であると説いた。
そして、「顔を読む」診断について、良好な「ポスチャー」を獲得するにはどうしたらよいのか、どんな治療を行っていくのかについての解説がなされた。
1日目の夜は懇親会が開かれ、Mew先生には「今年も来日ありがとう」のケーキが送られ、大変喜ばれている様子であった。
2日目には「子供達の機能の発達不全を低年齢からどの様にすれば重症化させないようにできるのか」をテーマに4名の先生がご登壇された。
井上敬介先生 会長あいさつ
「0歳からの口腔育成個別サポート」取り組みの紹介
中村ゆかり先生
乳幼児の予防歯科子どもちゃんのお口をなんとかせねば!
宮坂乙美先生
すべての輝ける子どもに私ができる発達支援ー乳幼児期の食べる・のむを中心にー
中野崇先生
全ての不正咬合は中顔面領域の下方成長が原因であるということが出発点であるとして、口腔の姿勢を整えるべく各ステージでのアプローチ法についてお話された。
臨床現場での口腔機能育成の意義と課題ー歯科医師の立場から行うべきことー
清水清恵先生
より良い口腔機能獲得のための今後の課題についてお話いただいた。
中でも乳幼児期からの口腔機能への歯科的介入が重要かつ効果も期待できるとお話された。
最後に
今回はじめて会に参加させていただいたが、小児の成長発育に対し様々な目線からのアプローチの方法を考えるとても良い勉強会と感じた。
確立した道筋が決まっているわけではない分野なだけに、様々なコメディカルスタッフとドクターが意見を交換し切磋琢磨している会場の雰囲気が感じられた。
子どもの成長発育に関して興味のある方はぜひ次回の会からの参加をおすすめする。