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【人気動画】歯肉退縮と骨欠損へのアプローチ方法〜根面被覆術と歯周組織再生術の正しい選択方法とは?〜

2021年5月21日(金)

今回は、大阪府でご開業されている宮地栄介先生が歯肉退縮について基礎的な内容をはじめ、原因の特定方法や解決のために治療方法など実際の症例を交えながら詳しく分かりやすく解説してくださっています。

根面被覆をはじめとする歯周外科処置を勉強したい先生や歯周治療の診断にお悩みの先生には大変勉強になり、内容の濃い動画となっております。
臨床で役立つこと間違いなしですので、是非ご視聴ください!

第1章 歯周病と歯肉退縮の違い

下の画像は歯肉退縮が生じている状態です。この状態を放置するとどうなってしまうのでしょうか。

2016年に発表された論文によると、ブラッシング状態の良い患者さんの歯肉退縮を放置してしまうと高い確率で歯肉退縮が進行してしまうと記載されています。つまり自覚症状が何もない場合にも放置してしまうことが最善の方法ではないということです。

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そして根面被覆術の適応はミラーの分類によって分類され、隣接する骨、歯間乳頭の高さによって決まります。(下記画像参照)

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初めの写真の患者さんは、ミラーの分類「classⅣ」に分類され、根面被覆歯適応外となります。このケースにおいて、歯肉にいきなりメスを入れてしまうことで逆に歯肉が退縮してしまう恐れが生じます。

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歯茎が下がっている(歯肉退縮している)といって、根面被覆術をしようという考え方は非常に危険です!

歯茎は下がっていた場合には、なぜ歯茎が下がったか原因の把握を行い、原因の除去を行い、長期的な健康な歯茎の維持のために根面被覆術が必要かどうかを判断し、そこではじめて根面被覆術を決行します。

そして歯肉退縮において歯周病の有無によってそれぞれ違いがありますが、決定的な違いが、下記の表で示した部分の組織所見の違いです。

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次に発生学的に考えていきます。

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エナメル質と歯肉は外胚葉由来で、歯根部分は中胚葉由来です。そのため、中胚葉由来の歯根は外界に適さないため、根面被覆によって外胚葉由来の組織で保護しなくてはいけません。

【歯周治療の流れ】
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歯周治療の流れは上の画像のような順序で行なっていきます。今回はその中の外科処置について説明させていただきます。


〜骨欠損を改善させる方法〜
1.水平的な骨吸収があるケース


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一般的な歯周基本治療により、歯肉退縮も大きいですが、ポケットも減少するケースが多いです。必要に応じて歯肉切除が必要になることもあります。


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こちらの患者さんは右下2番3番にポケットが認められていますが、歯周基本治療により歯肉の退縮も大きいですが、ポケットの改善がみられています。

2.骨が凸凹で浅い骨欠損のケース


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骨形成、骨切除を行い、骨を生理的な形態に戻すことでポケットが改善するケースが多いです。


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こちらの患者さんは右下4番に浅い骨欠損が認められ、歯周基本治療終了後もポケットが残存してしまいました。そのため、骨切除を行い、骨を生理的な形態にすることでポケットの改善がみられました。

3.垂直性の骨欠損のケース


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再生療法を行うことでポケットが改善するケースがあります。


こちらの患者さんは左下6番に垂直性の骨欠損が認められます。そのため、EMDとFDBAを用いて再生療法を行いました。そして2年半後の経過がこちらです。

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こちらの患者さんは左下6番に垂直性の骨欠損が認められます。そのため、EMDとFDBAを用いて再生療法を行いました。そして2年半後の経過がこちらです。


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骨欠損の改善がみられポケットの残存もありません。動画では宮地先生がさらに詳しい再生療法について解説してくださっていますので是非ご覧ください。
第1章 歯周病と歯肉退縮の違い

4.骨吸収が歯周囲を取り囲むケース


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この場合には、自然挺出や矯正的挺出を行い歯根膜を利用し骨の形態を生理的形態にする方法が有効です。
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こちらの患者さんは右上4番に縁下カリエスがあり大きな骨欠損が認められます。そのため、歯を提出させることで骨欠損を改善させることができました。


第2章 根面被覆の実際の治療


【歯肉退縮の治療の流れ】
まず歯肉退縮はなぜ起こってしまうのでしょうか。
歯肉退縮の原因としては、歯周組織の要因、解剖学的要因、後天的要因の3つが原因としてあげられます。


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〜プラークによる炎症の場合〜


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左上の写真は歯石やプラークの付着が見られ、左下の画像はプラークや歯石を除去したことで歯肉退縮が認められた写真です。しかしブラッシング方法の改善をしていただくことで右側の写真のようにしにくを改善させることができました。

〜オーバーブラッシング〜
プラークコントロールが良好な患者ほど、歯肉退縮起こしやすいという論文があります。また下のグラフにように、硬い歯ブラシを使用している人は歯肉退縮を起こしやすく、ブラッシング圧が大きい人ほど歯肉退縮を起こしやすいという結果が出ています。


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〜矯正治療によって引き起こる歯肉退縮〜
矯正治療によって歯を頬側に移動し骨のハウジングから出てしまうと骨の裂開を引き起こし歯肉退縮が起きてしまうケースがあります。その場合には、逆にハウジング内に歯を移動させることで歯肉退縮が改善することもあります。


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原因の除去をした後には、根面被覆の適応症かどうかの判断が必要になります。適応症の判断には、先ほど紹介したミラーの分類の他にも、カイロの分類を利用することによってミラーの分類をさらに細かく分類することが可能となります。(下記の画像参照)


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宮地先生の動画ではカイロの分類について、丁寧な解説をしてくださっているので是非ご覧ください。
第二章 根面被覆の実際の治療


【根面被覆の実際の治療方法】
●歯肉弁歯冠側移動術


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【利点】
・十分な血液供給
・治癒が早い
・審美的結果が得られ易い
1歯〜多数歯に適応可能

【欠点】
・口腔前庭が浅くなるケースがある
・退縮量が大きい場合には不敵なケースがある

●多数歯に対するトンネルテクニック


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【利点】
・搬痕形成が少ない
審美的結果が得られる
・歯間乳頭が保存される

【欠点】
・技術的に難しい
・退縮量が大きい場合には不敵なケースがある
・術野の明示が難しい

【症例1】
プラークコントロールは良好な方でしたが、オーバーブラッシングにより右上3番の歯肉退縮がみられます。もともと歯肉が薄い状態であったことも原因であると考えられます。


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ミラーの分類ではclass1、さらに歯肉が薄いため結合組織の移植を伴った処置を行います。(上記画像参照)


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そして左側の写真が術前で、右側の画像が術後半年経過後の写真です。歯肉の厚みや根面が改善され、今後歯肉退縮が起こりにくい環境に整えることができました。宮地先生の動画ではさらに症例について詳しくわかりやすく解説されていますのでぜひご覧ください。
第二章 根面被覆の実際の治療

【まとめ】
●歯肉退縮は日常臨床でよくみかける病態であるが、介入しなければ進行する可能性が高い
●歯肉退縮を改善するためには原因の特定と、その改善を行うことが大切である
●歯周病の場合も原因の解決の上、必要に応じて外科処置を選択しなければならない
●歯周病に対して外科処置を行う際は、骨欠損形態に応じた術式の選択が必要である
●歯肉退縮の原因を解決した後に、根面被覆術が必要な場合は その特徴に応じて術式の選択が必要である
●矯正治療を行う際には歯の移動方向に応じて 矯正治療前に根面被覆を行うかどうか判断がすることが重要である


最後に…


今回は大阪府でご開業されている宮地栄介先生の動画「歯肉退縮と骨欠損へのアプローチ 〜根面被覆術と歯周組織再生療法の選択について〜」より「歯肉退縮と骨欠損へのアプローチ方法〜根面被覆術と歯周組織再生術の正しい選択方法とは?〜」を紹介させていただきました。

根面被覆術の正しい選択方法やアプローチ方法について症例を用いながら、わかりやすく解説してくださっている動画となっております。臨床ですぐに役立つ情報が満載ですので、是非動画をご視聴いただけますと幸いです。

最後までご一読いただきありがとうございました。

【歯肉退縮と骨欠損へのアプローチ 〜根面被覆術と歯周組織再生療法の選択について〜】
第1章 歯周病と歯肉退縮の違い
第2章 根面被覆の実際の治療



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