第31回 ヨシダユーザーミーティング 参加レポート

2020年1月31日(金)

2020年1月11・12日、株式会社ヨシダ本社にて第31回ヨシダユーザーミーティングが開催された。歯科用CT、CAD/CAM、レーザー治療などのデジタルデンティストリーを中心とした内容で、座長である小宮山彌太郎先生をはじめとする数多くの著名な先生方が御講演された。

会場の様子

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入り口にはおなじみのクラプロックスやエムドゲイン、CAMBRAなどの展示がされており、その他には昨今話題となっている感染予防についての商品や、松本先生の講演中に取り上げられていたLuxaCrownの展示もあり賑わいを見せていた。

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第31回 ヨシダユーザーミーティングの内容

初日の1/11(土)は、座長を務めた小宮山彌太郎先生の御講演により開始された。先生は咬合論の難しさの提言から始まり、人工物の崩壊の原因のほとんどが「力」ということを例に、歯科治療における力のコントロールの重要性を御教示された。

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具体的には、治療計画立案は
 (1)咬合力の負担
 (2)コンポーネントの保護
     →フィクスチャーの数、位置、直径
この2点を常に意識することをされているとの事。

また、近年、多くのメーカーがインプラントフィクスチャーが折れないように無理やり硬いフィクスチャーを作ってしまったため、その結果フィクスチャーはたわまず骨辺縁にものすごい力がかかるようになったという話もなさっていて、改めてブローネマルク先生が「骨細管を潰さないようにしろ」という言葉をもう一度思い出すようにということを伝えて下さった。


続いて、根津崇先生から矯正分野におけるCBCTの有用性の御講演があった。
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矯正治療において審査する項目のうち、正貌観では6番の頬側骨の量で拡大できるか診断をして、側貌では前歯部の上下、前後の関係を見るということ、また、圧下できるスペースはあるかというところを見ているという。

また、ハイアングル、ドリコの人は骨が薄い人が多いそうで、その他、切歯管に根が行かないように注意をしているそうだ。骨や構造物にぶつかると基本根吸収が起こるため、そのことを意識して診断を行なっているという。

また、骨だけでなく副鼻腔炎があれば口呼吸になるので注意してサイナスを見ること、リンパ節腫脹、気道狭窄の有無についても見ることをしていることを御教示いただいた。現在注目を集めているOSAの患者は相当数いて、矯正して気道狭めてしまってはならないようにも意識しているということを話されていた。


次に、伊藤貴彦先生よりCAD/CAM補綴における支台歯形成のポイントの御講演があった。

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CAD/CAM補綴は従来の補綴物とは異なり補助的保持形態はつけられないので、歯冠高径は一層大事であるということから始まり、鋭利な箇所があると適合が一気に悪くなり、その部分の内面がごっそり削られて厚みも減るということ、形成が少ないとマージン部に応力かかってチッピングしたりセメント砕けやすいということを、実例を用いながら丁寧に説明して下さった。

続いて、石井宏先生によるエンドの画像診断についての御講演があった。

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エンドの世界において、いまはまだCBCTは中心になっておらず、術前後はいまだにデンタルが第一選択である。

その理由の一つとして、デンタルは被写体とフィルムの距離が近いから歪みが少ないということが挙げられるからで、CTを使用するのは歯根端切除などの外科処置をする際であるということを御教示された。

また、FOVは必要な範囲を超える程度に小さいと解像度が上がるということやALARAの法則を遵守して被爆は抑える必要性から、根が石灰化しているからといってむやみにCT撮影をしないようにするべきだと啓発された。

年間あたりの放射線診断による被爆は日本が最高で、それによる発がんリスクも日本が3.2%と最高であるそうだ。

また、エンドでは画像診断を最後まで見ないという。バイアスがかかり、かつ読影誤差は多いという論文を元にしているそうだ。

また、CCDとIPを比べると、IPの方が薄くて撮影しやすいということ、階調数が多いことによりグレーの種類が多いので多いものを選ぶことの重要性をお話されていた。

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次は、船登彰芳先生による歯周・インプラント治療におけるCBCTとレーザーの活用についてのご講演があった。

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Hybrid Implant-Tooth placement techniqueという、歯根を用いたインプラント埋入術の短期的な途中報告を御教示下さり、インプラント埋入術の新たな可能性が示唆された。症例もさることながら、症例に使用されている美しい写真の数々に、参加者は魅了されていた。


続いて、松本勝利先生は『臨床のお宝箱with DMG in Germany』という演目で御講演された。
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松本先生は咬合が脳組織に与える影響についてを中心に御講演されて、咬合治療の際に利用しているものが前述のLuxaCrownである。

Luxa Crownは対磨耗性がよく、3rd プロビジョナルレストレーションに適応しているそうで、最低でも5年はもつ材質であるという。使用方法として、~40秒で圧接を行い、~1.40秒で一度外すことがコツだとお話されていた。また、咬合を守る理由として、咬合が毎日脳組織に外力を与えているためという切り口で講演されていたのが画期的で印象的であった。

オーラルフレイルもSASと同じように医師に奪われるのではないかという事を危惧されていて、我々歯科医師のより深い知識の研鑽が必要なのではないかと筆者は感じた。


最後に、上田秀朗先生が歯科治療におけるCT撮影の有用性について御講演された。
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かなり複雑な抜歯のケースを始め、全顎的なインプラント手術におけるCBCTの有用性を画像を用いながら参加者に紹介していった。
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全ての御講演が終わった後、御講演された全ての先生を交えての質疑応答が行われて、充実した1日目のユーザーミーティングは幕を閉じた。


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2日目の1/12(日)も豪華な講師陣で、会場も3会場となり多くの参加者で賑わっていた。
全ての先生がCBCT、レーザー、CAD/CAMについて熱い御講演をされていて、身体1つじゃとても回り切れない、素晴らしい講義であふれていた。
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まとめ


2日間に渡った第31回ヨシダユーザーミーティングは、改めて著名な先生方の卓越した症例と知識に感動する2日間となった。


現代の若手歯科医師は私を含め大変恵まれた環境にいて、偉大な大先輩方があらゆる形で我々に知識を伝授して下さる。


特に、ネット社会となった今、いつ、どこにいてもDoctorbookをはじめとするネット媒体でその知識の伝授を受けられるのだから、本当にいい時代である。


機材もありとあらゆるものが発売されているので、研鑽を積み、先輩方が築きあげてくれた日本の歯科医療をより良いものとして、世界に誇るJapanese Dentistryを今後我々のたゆまぬ努力で作り上げていきたい。

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