良い義歯になるかどうかは最終印象で決まる #1
-
*2022年2月9日にLIVE配信されたクリニカルカンファレンスの講演内容です。
全部床義歯の最終印象を成功させるために大切なこと、どう行うのかなどポイントやその根拠などを理論的にご説明いただきます。
義歯の最終印象において、特に若手の先生方は理論よりも手技の方に関心が高くなりがちではないでしょうか。
しかし理論がわかっていないと、上手くいかなかった時にその理由を把握することが難しくなります。
恐らくどこに何を追加し、どうしたら上手くいくのかなどを判断することができなくなってしまうでしょう。
松田先生は「なぜ・どこまで・どうするか」ということをしっかり勉強してから、手技を身に付けることが大切とおっしゃいます。
この動画で、義歯を作製するにあたってまず大切なことを学んでいきましょう。
そもそも義歯作製時になぜ最終印象が必要なのでしょうか。
最終印象の目的は「口腔内の状態を作業模型として技工操作をするため」だけではありません。
松田先生によると義歯の最終印象は「口腔内で義歯床の形態を最終決定する操作と考えた方が良い」のだそうです。
義歯作製の流れを考えてみると、概形印象から始まり設計・個人トレー作製・最終印象という過程を経て、義歯が完成します。
そう考えると、全部床義歯の臨床というものは「最初から最後まで義歯の適切な形態を模索していく過程」ではないでしょうか。
まずどういう大きさ・形で、辺縁はどのくらいの長さにするかなど義歯の形を模索していきます。
特に最終印象は、その形や辺縁の形態・長さを決定していく操作だと言えるでしょう。
つまり「口の中で義歯の形を作る」というイメージを持つことが重要なのだと松田先生は言います。
成功に繋がる義歯の維持を高めるためには、やはり辺縁の長さを適切に決める「最終印象」が大切なのではないでしょうか。
基本的なことだと思われる方もいらしゃるかもしれませんが、丁寧にやればやるだけ結果がついてくるのも最終印象です。
中には「とりあえず印象が取れていれば、後は技工士が義歯床を作るから良い」と考える先生方もいらっしゃるかもしれません。
印象時の辺縁と、完成した義歯の辺縁は一緒ではないと思われる方もいるでしょう。
しかし辺縁形成をしっかり行うことによって、義歯の維持を最大化させることができるのも事実です。
今一度、最終印象の重要性をご一考いただければと思います。
この中で義歯の辺縁をちょうど良い長さにするために必要な過程が「辺縁形成(ボーダーモールディング)」です。
辺縁が短ければ支持域が不足しますし、食片の滞留や痛みが生じる原因にもなります。
反対に長過ぎると機能運動を阻害し、疼痛や潰瘍の生じることに繋がってしまいます。
このような事態を避けて適切な印象を行うためには、個人トレーをどのような点に重きを置き作製するかが非常に重要です。
ぜひこちらも動画内で確認なさってみてください。
関連動画
Doctorbook academy
本サイトは、歯科医療に従事されている皆さまを対象に情報提供するサイトです。
あなたは歯科医療従事者ですか?
※一般の方は患者向けサイトDoctorbook をご覧ください
Facebook ログインの確認
Doctorbook academy は Facebook ログインをサポートします。
Facebook アカウントより必要な情報を取得します。
許可する場合、YES を押して Facebook 連携に進んでください。
誤って Facebook ログインを選んだ場合は NO を押してください。