個人トレーの出来が最終印象を左右する #2
- 価格
- 2,750円〜(税込) (D+会員 2,200円〜(税込))
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- 1% (通常:25pt〜 D+会員:20pt〜)
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*2022年2月9日にLIVE配信されたクリニカルカンファレンスの講演内容です。
前回は最終印象について学びましたが、今回は個人トレーを使った印象について考えていきます。
まず個人トレーを使った印象について、ラインの復習からしていきましょう。
松田先生が勧める一般的なトレー外形線の位置を上顎、下顎それぞれご解説いただきました。
まず上顎のトレーラインは、齦頬移行部最深部より2mm程度短く設定します。
また頬小帯や翼突下顎壁、アーライン・口蓋小窩に対してどのように設定するかについてもお話しくださっています。
最終印象において上顎の印象で困ることはあまりありませんが、下顎のケースが問題となることは多いのではないでしょうか。
義歯の床縁・個人トレーのラインは「軟組織上で終わる」のが基本です。
例えば下顎の場合、レトロモラーパッドは基本的に全体を被覆します。
頬側は可動域ラインに位置させますが、この可動域ラインは印象採得の際に口腔内をみて設定するのが望ましいでしょう。
唇側のラインは顎堤の吸収が進んでいると短くなり過ぎるケースもありますが、基本的にはオトガイ筋付着部を半分程度被覆します。
その他下顎舌側の後方ラインや前方ライン、舌の動きを阻害させないためにはどのように設定するかについても動画内でご確認ください。
続いて用いる材料について、辺縁形成とウォッシュに用いる材料とに分けてそれぞれご説明いただきました。
義歯の印象では、コンパウンド・シリコーン印象材・酸化亜鉛ユージノールペースト印象材・アルジネート印象材などを用いると思います。
辺縁形成においては、コンパウンドやローフローのシリコーン印象材が適しているのではないでしょうか。
またウォッシュでは、ハイフローのシリコーン印象材、酸化亜鉛ユージノールペースト印象材・アルジネート印象材が良いでしょう。
今回の講義では、臨床でよく使われているローフロー・ハイフローのシリコーン印象材を使った症例が紹介されています。
松風ジルデフィット他、松田先生お勧めの材料を具体的に紹介いただいていますが、どの印象材も大事なのは好みと慣れだそうです。
実際の印象採得時に特にご配慮いただきたいのは、ウォッシュ時のシリコーン印象材のフロー度だと松田先生はおっしゃいます。
総義歯の患者様は非常に高齢者の方が多いため、あまり調度の高いものだと咽頭の方に流れ危険が伴うからです。
そのため安全面から「ハイフローの中でも調度のあるものの方が良い」と考えておられるそうです。
これらも先生方が印象材を選ばれる時の参考にしていただけましたら幸いです。
では、いよいよ手技に移っていきましょう。
最終印象の方法は物凄くたくさんあります。
アメリカの歴史ある「BOUCHERの無歯顎者の補綴治療」という教科書では、73年間で6種類の印象法の移り変わっています。
これらの歴史的な面から大きく分けると最終印象は「閉口印象法」と「個人トレーを用いた印象法」の2つに分けられるでしょう。
現在は「個人トレーを用いた方法」が主流ですが「閉口印象法」は全部床義歯の時には大変有用な方法です。
場合によって、これら2つを使い分けることを松田先生はお勧めされています。
本セミナーでは個人トレーによる最終印象法を「個人トレーで手指を用いて口腔内に保持しながら行う印象法」と定義します。
個人トレーを用いた印象法を流れに沿って見ていきましょう。
個人トレーを利用する場合も、手指だけでなく患者様が動かせるのであれば舌運動などをしていただく必要があります。
ここで辺縁形成とウォッシュを言い分けていますが、ウォッシュ時も辺縁形成時と同じ操作が必要ということは大きなポイントです。
次の動画では、個人トレーを用いた最終印象について実際の操作の様子を動画にてご覧いただけます。
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