＊2022年2月22日にLIVE配信されたクリニカルカンファレンスの講演内容です。      

引き続き、バッカルシェルフのTADが肝になる症例の解説です。
 
顎関節の状態は、左右でクリックがあるため非常に不安定で、左関節だけ痛みがある状態です。
治療計画は、歯周基本治療中に顎関節に関してTCHを指導、必要に応じてスタビライゼーション型スプリントを入れることも考えられます。
歯周基本治療後に左上下の8番を抜歯、その後左上下の臼歯遠心移動をインビザラインで行う治療計画を立てられました。
インビザラインでの治療が進むにつれ、顎関節症の症状が改善されたと解説いただきました。
このように、アライナー矯正でもTADなどのアンカーなしで臼歯の遠心移動ができるケースもあると、述べられました。
術後のスマイル評価では、綺麗なスマイルラインと歯列の調和が達成できていることが分かります。
 
続いて《レイマスTADを利用したアップライト》《前歯のリトラクション》のケースを解説いただきました。
24歳女性、非喫煙者、虫歯治療と歯並びの見た目を主訴に来院された患者さんです。
う蝕処置を含めた歯周基本治療中に左下以外の親知らずを抜歯、再評価後に上顎左右の5番を便宜抜歯します。
そして、左下7番を抜歯禍へ近心移動していきながら、左下の親知らずをレイマスTADを用いて治療を進める計画を立てられました。
この方法は、対合歯へ干渉しやすい部位へ埋入するため、埋入部位には十分な注意が必要と解説をいただきました。
67ステージ中の38ステージでは歯列がしっかり整い、顎の動きも非常にスムーズに動くようになりました。
 
続いて《前歯のリトラクション》《欠損歯》《圧下》のケースを解説いただきました。
54歳女性、非喫煙者、前歯で噛めないので治してほしという主訴で来院されました。
歯周基本治療後、トランスパラタルアーチ、TADで臼歯を圧下していく矯正治療を計画されました。
その後は、補綴治療、欠損部分のインプラント治療、ホワイトニングをしてSPTという流れです。
術前術後のパノラマを比較すると、臼歯部の圧下により咬合平面も修正できていることが分かります。
ファイナルの口腔内写真では、前歯開咬の改善、アンテリアガイダンスの確立ができていることも確認できるでしょう。
 
次のケースでは、38歳女性、非喫煙者、左上7の鈍痛と見た目の改善を主訴に来院されました。
保存困難な左上は抜歯、歯周基本治療、矯正治療に関してはインビザラインで進める治療計画を作成されました。
上顎大臼歯の圧下、下顎前歯の挺出、補綴治療を経てSPTという流れです。