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2026年11月4日(水) 公開

#1 接着修復の長期予後を左右する要因とは? エビデンスから読み解く接着システムの進化と選択|高見澤 俊樹先生

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  • コンポジットレジン修復では、10年以上にわたり良好な予後が保たれているという報告がある一方、経年的な変色や辺縁着色、段差などの不具合も見られます。こうした変化はなぜ生じるのでしょうか。本講演では、高見澤 俊樹先生が、教室で行っている研究や先行研究をもとに、ダイレクト接着修復を支える接着システムの特徴と、接着の耐久性に関わる要因を解説します。

    まず、コンポジットレジン修復後の経時的な変化を、臨床研究と電子顕微鏡像から確認します。修復直後には目立たなかった辺縁の段差が、経過とともに現れる様子を紹介。歯質とコンポジットレジンの熱膨張係数の違いが、辺縁の変化や剥離に関与する可能性について考察します。

    続いて、接着システムの変遷を整理し、ユニバーサルアドヒーシブの特徴を取り上げます。エッチ&リンス、セレクティブエッチング、セルフエッチングという複数のエッチングモードに対応することや、さまざまな被着体に応用できる点など、その用途を解説します。

    エナメル質への接着では、リン酸エッチングの有効性が重要なテーマです。エナメル質と象牙質のアパタイトの構造や、機能性モノマーとの反応の違いを踏まえ、エナメル質にリン酸エッチングを行う意義を説明します。また、未切削・切削エナメル質を比較した研究から、初期接着強さだけでなく、疲労試験や温熱負荷による耐久性にも目を向けます。表層の無小柱エナメル質が接着に及ぼす影響も取り上げ、臨床での処理範囲を考える視点を示します。

    象牙質への接着では、ユニバーサルアドヒーシブを用いた際のリン酸エッチング時間と接着強さの関係を検討します。接着界面の電子顕微鏡像を通して、樹脂含浸層やその直下の化学的な反応層を紹介し、モノマーの浸透性と接着の関係を解説します。

    さらに、唾液汚染による接着界面のギャップ形成や、水・溶媒の残留が重合に及ぼす影響を取り上げ、防湿と適切なエアブローの重要性を確認します。そのうえで、湿潤状態への対応や、水を含まない組成など、次世代のユニバーサルアドヒーシブにおける工夫を研究結果とともに紹介します。

    接着剤の特徴と操作の意味を、臨床経過と研究の両面から整理できる講演です。日々のダイレクト修復で行っている接着操作を、改めて見直す機会としてご覧ください。

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