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【連載】新しい世代のボンディング材が拡げる臨床 #06 ~スコッチボンドTM ユニバーサル アドヒーシブ ユニドースタイプ(個包装タイプ)の特徴と有用性~

2017年9月5日(火)
提供:スリーエムジャパン株式会社

現在,われわれの日常臨床ではさまざまな接着システム(3 ステップタイプ,2 ステップタイプ,2ボトルの1 ステップタイプ,1 ボトルの1 ステップタイプ)が存在し,それぞれにメリットとデメリットがあるため,臨床医が症例に応じて使い分けているのが現状である.どのタイプの接着システムを選択するのかはたいへん重要であるが,実際の臨床においては①メーカーの指示どおり操作する,②メーカーの指示どおり保管する,③術者により接着力などの性能にばらつきがない(テクニックセンシティブではない)等の事柄も重要で,それらは臨床結果に大きな影響を与える.


 


メーカーの指示どおり接着操作を行わなければ,接着力が得られないのは言うまでもないが,メーカーの指示どおり保管するのは困難な場合も考えられる.保管温度によるボンディング材の劣化がよく指摘されているが,そのほか臨床において注意を払わなければならないことは容器(ボトル)の取り扱いである.ボンディング材は,使用直前にボトルの蓋を開け,使用後にはすみやかに蓋を閉じなければならない.これは,ボンディング材の揮発性溶媒が揮発することによって生じる,ボンディング材の劣化を防ぐためである.使い始めのボンディング材に比べ,数カ月間使用した後のボンディング材は接着力が低下しているとの報告もある.また,取り扱いの方法によってはボトルの蓋の部分が不衛生になってしまい,接着力の低下を招く一つの要因となる.これらを防ぐためには,ユニドースタイプのボンディング材の使用が推奨される.ユニドースタイプでは1 症例分が密閉されており,使用直前に開封して使い切るため,経時的なボンディング材の劣化や衛生面での心配がない.


 


また臨床では,常に安定した接着力が得られ,術者によって接着力が変化しない操作性のよい接着システムを選択することが重要である.ステップが多い場合や,1 ステップであっても2 液性で混和の必要性がある場合には,術者の取り扱いによって接着力などの性能に違いが生ずる可能性がある.しかしユニドースタイプの場合は,1 液性で混和の必要もなく,煩雑なステップがないのも利点である.整った環境で保管されたボンディング材を,正しい手順に従って操作しなければ接着力などの性能を適切に得られないが,実際の日常臨床では困難な場合も考えられる.ユニドースタイプのボンディング材は,ボトルタイプよりも保管や操作性に優れており,接着力などの製品本来の性能を十分に得るためには推奨される.加えて,診療前の準備と診療後の片付けの時間が短縮できるのも,日々忙しく臨床に取り組むスタッフ(歯科医院)にとってはメリットである.削減できた時間を有効活用することによって,より治療に専念でき質の高い治療が可能となると考えるからである.


 


図1 スコッチボンドTM ユニバーサルアドヒーシブ ユニドースタイプ.膨らみがある部分を指で押しつぶすことにより,密閉されていたボンディング材がアプリケーターブラシの先端に移動する.専用のアドヒーシブスタンドを使用することによりボンディング材がブリスターから流れ出る心配もなく,ブラシを立てた状態で使用することができるなどの操作性に優れており,かつ衛生的である


 


1.Case 1 回のアポイントで完了する知覚過敏抑制処置とコンポジットレジン修復


 


1-1 4│ の歯頚部に齲蝕,3│ に知覚過敏が認められる



1-2 4│ の齲蝕をカリエスチェック®を用いて必要最小限に除去.3│ は超音波スケーラーを低出力に設定し,プラスチック製のチップを用いて清掃を行う.知覚過敏が著しい場合は乾燥したカーゼ等を用いて清掃を行う



1-3 スコッチボンドTM ユニバーサルアドヒーシブ ユニドースを付属のアプリケーターブラシを用いて塗布.塗布後,4│ の充填に備えアプリケーターブラシをブリスターに戻す



1-4 本製品で20 秒間処理した後,ゆるやかなエアでアドヒーシブが波打たなくなるまで乾燥させ,10 秒間光照射



1-5 表面の未重合層をアルコール綿球にて除去



1-6 同様に 4│ にも直前に使用した本製品を20 秒間処理後,乾燥させ,10 秒間光照射.本製品は内容量が十分あり,30 分以内であれば使用が可能である.ブリスターは光が透過しないため,遮光板を用いる必要はない



1-7 フィルテックTM シュープリーム ウルトラ フロー A4 をエキスプローラー 3A(ヒューフレディ)を用いて充填後,光照射



1-8 術後 


 


松本和久(Kazuhisa Matsumoto)


北海道・松本デンタルオフィス


 


歯界展望 Vol. 121 No. 6 2013―6


【関連コラム】


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#04   大谷一紀先生   ~セラミッククラウンのリペア~


#05   日野浦光先生   ~コンポジットレジン修復物のリペアの一症例~


#06   松本和久先生   ~スコッチボンドTM ユニバーサル アドヒーシブ ユニドースタイプの特徴と有用性~


#07   宮崎真至先生   ~スコッチボンド ユニバーサル アドヒーシブの各種被着体に対する接着性とその信頼性~ 


2.資料請求


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