第6回では口腔機能発達不全へのアプローチとして、自宅トレーニングの実践報告と「ルートギアモデル」を用いた発育評価の基礎を学びます。

はじめに、聴講生が自身のトレーニング体験を通じて感じた気づきを共有しました。
継続の難しさや、患者や保護者のモチベーション維持の重要性、そして「やってみて、初めてわかる」臨床感覚について語られます。
特に印象的だったのは、「頑張れ」の声かけだけでは乗り越えられない現実に直面した体験談であり、寄り添いの姿勢こそが継続の鍵であるという重要な学びです。

動画の後半では、「ルートギアモデル」に基づいた評価ステップについて解説されます。
歯並びの悪化という“結果”の背景にある「根本原因」「代償性原因」「結果的原因」を段階的に紐解きながら、包括的な評価法を復習します。
中顔面劣成長を見極める指標として、「IL（インジケーターライン）」や「6-6間距離」の測定法、さらにガミースマイルの観察方法などが紹介されており、診査・診断に必要な具体的視点を身につけることができます。

また、発育不全が全身に及ぼす影響として、睡眠障害・発達障害・顎関節症・発音障害・摂食障害など多岐にわたる問題が挙げられ、機能不全の早期発見と介入の重要性を教わります。

加えて、評価指標の運用にとどまらず、子どもの特性に応じた声かけの工夫や、継続が困難な背景に対する理解の深め方についても触れられています。
「褒めることの価値」や「継続のための設計」といったソフトスキルの重要性にも焦点が当てられ、指導者としての在り方を見直すきっかけとなる内容です。

本動画では、単なる理論の学習にとどまらず、現場で即活用できる視点と実践例を通じて、機能的口腔育成における評価と支援を体系的に学ぶことができます。
診療の現場で「子どもの変化をどう引き出すか」と悩む方にとって、ヒントと勇気を与えてくれる内容です。
ぜひご覧ください。