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スペシャル
2025年10月22日(水) 公開

リトラクション量の多い2級仕上げのゴールどうやって作る?|相談者A DAY1

価格
22,000円〜(税込)
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1% (200pt〜)
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  • 2日間にわたり行われた岡野修一郎先生による『クリンチェックTetoriAshitori』の中から、【1日目・第2部】の内容をお届けします。

    今回のテーマは、31歳男性、骨格性2級・ハイアングルの症例です。
    フルクラス2でオーバージェットは大きく、オーバーバイトは浅め。パノラマでは下顎8番の埋伏以外に大きな異常所見は見られません。
    セファロ分析ではANBが大きく、FMAもやや高め。下顎前歯のフレアも確認されています。
     
    ▼症例1:上顎左右4抜歯+下顎遠心移動・IPR
    初期計画では、上顎の左右4番を抜歯し、下顎は遠心移動とIPRで対応。上顎5番にボタンカットを設定し、2級ゴムで固定を行いました。臼歯の移動は最小限に抑え、上顎前歯をリトラクション。必要に応じて、一部のスペースは修復処置で補う設計としました。

    ▼追加アライナーでの課題
    追加アライナーの段階では、軽度のボーイングエフェクトや上下アーチ形態の不一致により、ラテラルオーバージェットが強く出現。
    今後は下顎の捻転除去、スペースクローズ、アーチ協調、咬合の緊密化を進めていく方針です。

    ▼質疑応答のハイライト
    ・2級フィニッシュでスペースが残る問題
    下顎4〜4にIPRを追加し、前歯の位置をわずかに内側へ。生まれたオーバージェットを利用してスペースを閉鎖します。
    ただし、骨ハウジングや上顎洞・皮質骨の制約には十分配慮します。

    ・トルク管理「ナチュラルコレクション」
    初期の歯軸をできるだけ保ちながら最終位へ誘導。不要な傾斜移動を避けるため、上顎前歯にはパワーリッジを使用し、中・小臼歯には横長で厚みのあるアタッチメントを設定してアンカレッジを強化します。

    ・アーチ形態の不一致について
    抜歯症例ではアライナーが狭くなりやすく、上顎を固定した設計では差が出やすいことを共有。アーチ協調や接触点の設計を見直して対応します。

    ・2級ゴムの設定
    上顎6近心と下顎3付近にボタンを配置し、2級ゴムを併用。
    3/16 inch・6.5 ozを基準に、必要に応じて1/8 inch・6.5 ozへ変更します。

    ・ステージング
    前歯の圧下と傾斜移動は同時(サイマルテニアス)に行い、犬歯や小臼歯の接触点をアンカレッジとして活用します。

    ・赤い接触点への対応
    過度に追いすぎず、必要最小限の補正に留めて実現性を優先します。

    ・ハーフクラスでのゴム切替
    序盤は3級ゴムを使って下顎の外方化を抑え、後半で2級ゴムに切り替え。下顎の骨ハウジングを守りながら、上顎前歯の仕上がりを整えます。

    実際の症例設計における「判断のプロセス」や「現実的なゴール設定」を、
    クリンチェック上での具体的な操作(IPR量、ボタン位置、アタッチメント形状、ステージング設計)とあわせて学ぶことができます。

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