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2025年10月22日(水) 公開

2級1類Deepbite症例に挑む!抜歯?非抜歯?デュアルデビュー活用法|相談者D DAY1

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22,000円〜(税込)
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  • 2日間にわたり行われた岡野修一郎先生による『クリンチェックTetoriAshitori』の中から、【1日目・第5部】の内容をお届けします。

    38歳男性。主訴は「上顎前歯のガタつき」「左頬粘膜の咬傷」「発音のしづらさ」「清掃のしにくさ」でした。初診時には上下前歯に叢生を認め、咬合力は強め。
    側貌ではEラインに対して上唇+2mm、下唇−3mmとややバランスの差が見られました。セファロ分析ではSNA 81、SNB 75.4と下顎の後退が確認され、相対的な上顎前突が示唆されました。診断は骨格性Class II、Angle Class II div.1、ディープバイト。

    治療方針は、上顎両側4抜歯・下顎は非抜歯とし、IPRで叢生を改善。必要に応じてエラスティックを併用する計画です。

    ▼初診所見と診断のポイント
    強い咬合力下でのディープバイトでは、前歯部の移動量設定が治療の成否を左右します。
    抜歯によって上顎前歯の後退は可能ですが、下顎前歯との干渉が生じると上顎のリトラクションが阻害されるため、移動計画には慎重な設計が求められます。

    ▼ステージング戦略:上下同時移動を基本に
    上下を段階的に分けすぎると、初期段階で上顎前歯が下顎前歯に当たり、意図した動きが出にくくなります。
    そこで本症例では、IPRを早期に行い、上下を同時(サイマルテニアス)に動かす設計を採用。
    バイトを徐々に浅くしながら、下顎の前方誘導を促す方針です。
    治療の進行中にも、早期の計画見直しや追加アライナーへの切り替えを柔軟に検討します。

    ▼クリンチェックでの注意点
    ディープバイトの悪化を防ごうとして、過度な圧下やオーバーコレクションを設定すると、
    現実的ではない移動量(例:上顎中切歯8.5mm、下顎中切歯4.5mm)となることがあります。
    オーバーコレクションはステージ数を増やすだけで、1枚あたりの力が強くなるわけではないため、必要最小限に留めるのが原則です。
    また、歯根と皮質骨の近接は3Dビューで必ず確認し、前歯の角度・位置を安全域に収める意識が重要です。

    ▼補助的手段と装置設計
    上顎6番の近心傾斜を防ぐため、保持力の高いアタッチメント設計を優先。
    必要に応じて弱めのClass IIゴムを併用します。
    抜歯閉鎖の過程で傾斜が進む場合には、追加アライナーでユニット移動を再設計し、確実なフィッティング下でスペースクローズを行います。
    アンカースクリューの使用は必須ではなく、まずはステージングの最適化で対応します。

    治療全体を通して、ディープバイト特有の干渉リスクを回避しながら、
    「現実的で再現性の高い前歯の移動」を軸に計画を立てることが重要です。

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