アライナーの限界はどこまで?移動量の多い症例の判断|相談者E DAY2
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2日間にわたり行われた岡野修一郎先生による『クリンチェックTetoriAshitori』の中から、【2日目・第4部】の内容をお届けします。
本編では、40代女性の症例を通じて、二級のディープバイト・シザーズバイト・顎位偏位が重なる難症例を検討します。
主訴は「左下6のインレー脱離」と「上顎前歯の突出感」。家族歴に二級・ローアングルがあり、
臼歯は左下6・7のみが接触しているため、バーティカルストップ(奥歯で噛み止める支点)が不足している状態です。
▼診断と病態の整理
基盤に骨格性二級・ローアングルがあり、上顎前突、両側フルクラスII、過蓋咬合を認めます。
臼歯は近心傾斜し、強いオーバーバイト/オーバージェットが併存。
下顎の偏位がシザーズバイトの主因と考えられ、顎位を正中へ誘導する必要があります。
ANBは10度以上が想定され、前後的不調和の補正は容易ではありません。
▼治療オプションと到達可能性
アライナー単独では垂直コントロールが不足しやすく、インプラントアンカーによる絶対的圧下(約3〜4mm)が鍵になります。
ただし、スクリューの設置位置・力の方向付けが難しく、装置選択と力系設計が重要です。
スペースクローズでは下顎管への近接が移動量の上限となり、tipping(傾斜移動)の増大が予測されます。
AP(前後)・左右偏位を包括的に是正する理想ゴールには、外科併用も現実的選択肢として提示します(患者説明と合意形成が必須)。
▼ステージングと補助装置の考え方
V字ゴムを基本に、必要時はN字ゴムで複数歯を同時に挺出する設計も検討(装着負担とのバランスに配慮)。
キーホールカットはアライナー強度を保ちつつ力を伝達でき、回転・アンギュレーション制御にも有効。
アライナーで信頼できる実移動は概ね2〜3mmと見立て、短距離の積み上げで計画します。
▼ゴール設定と咬合の作り方
クリンチェックでは理想咬合を念頭に置きつつ、移動量は最小化する設計思想を徹底。
シフトを伴うオープンバイトでは、安易に早期接触を削る前提にせず、非接触部の挺出で最終咬合を構築して、過度なバイトジャンプを避けます。
最終目標は顔面正中に対するオトガイ位置の整合を意識。患者さんの希望と医学的妥当性の妥協点を丁寧に共有します。
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