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2025年10月22日(水) 公開

3級症例のコンセプト/アタッチメントはどうつける?|相談者C DAY2

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  • 2日間にわたり行われた岡野修一郎先生による『クリンチェックTetoriAshitori』の中から、【2日目・第3部】の内容をお届けします。

    本編では、上顎前歯の隙間を主訴とする症例をもとに、下顎7番の近心傾斜と3級傾向に対するアライナー設計を検討します。
    クリンチェック上での修正ポイントを中心に、アップライトによる改善方法、遠心移動の進め方、咬合干渉の回避、アタッチメント設計、そしてIPRの活用タイミングまでを丁寧に解説します。

    ▼症例概要と主な課題
    本症例では、下顎7番の近心傾斜をどのように改善するか、そして3級傾向への対応をどう設計するかがポイントとなります。
    7番はアップライト(傾きを正す)で十分対応可能であり、無理に近心移動させるよりも、やや遠心方向に動かして移動量を抑える設計が現実的です。
    3級傾向の改善は下顎遠心のみでは難しく、Ⅱ級症例に比べて実現性がやや低い点に注意が必要です。
     
    ▼咬合干渉とアタッチメント設計
    この症例では前歯部の咬合干渉が起こりやすいため、必要に応じて軽い圧下(歯を沈める動き)を取り入れます。
    アンカレッジとして、下顎6番にやや大きめ(例:4mm)のアタッチメントを7番寄りに配置。さらに、上顎7番を軽く圧下して干渉を減らす設計も有効です。
    7番自体はシーケンシャル遠心でスペースができれば保持が効くため、アタッチメントは原則不要ですが、同時移動する場合は付与を検討します。

    ▼下顎遠心移動とゴムの使い方
    3級傾向の改善には3級ゴムの使用が効果的です。下顎5・6・7番をユニットとして遠心移動させることで、ステージ数を抑えながら回転のコントロールもしやすくなります。ボタンカットとプレシジョンカットの使い分け方、必要に応じてゴムを2本掛けする運用についても検討します。
    また、上顎への影響を観察しつつ、小臼歯(4・5番)や犬歯(3番)への追加アタッチメントで保持を強化します。

    ▼前歯のスペースクローズと固定設計
    遠心移動が進む終盤では、前歯部のスペースが一気に閉じやすいため、移動速度を一定にしても現実的な制約が残ります。
    必要に応じて前歯部IPRを併用し、下顎前歯を早期に内側へ誘導して、上顎のスペースクローズ余地を確保します。

    初期段階では前歯の早期接触が起こりやすいため、下顎前歯の圧下・トルク付与や追加アライナーでの段階的対応を行います。
    最終的な前歯の接触は「グリーン」状態を目標にし、過度なオーバーコレクションは避けます。
    さらに、バーチャルフェイクIPRを0.2〜0.3mm程度で設定し、固定装置へのスムーズな移行を目指します。

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