伊藤先生の著書、2020年の医歯薬出版ベストセラーに選ばれた「カリエスブック 5ステップで結果が出るう蝕と酸蝕を予防するカリオロジーに基づいた患者教育」(医歯薬出版 刊)をお手元にご視聴いただくと、より理解が深まります。
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いきなりですが、酸蝕症が認められる方の有病率をご存知でしょうか。
何と、30%もあるそうです。
とはいえ、日々の臨床で酸蝕症の患者さまはそんなにいないと感じられるかもしれません。
しかし、新しい知識を得ることで視野が広がり、今まで見えなかったものが見えるようになることは良くあるのではないでしょうか。
酸蝕症に関しても同様だと伊藤先生はおっしゃっています。
では、酸蝕症とは何なのでしょうか。
そもそも「歯が溶ける」というのは「酸によって歯が溶ける」ことです。
酸には「細菌による酸」と「細菌ではない酸」の2種類があります。
ここで酸蝕症の定義は「口腔内細菌由来ではない酸に醸されることで、歯質のミネラルが化学的に失われること」とされています。
日常生活の中で、私達は多くの酸に晒されていると言えるでしょう。
そのため、昨今では酸蝕症が増えています。
酸蝕症のう蝕との大きな違いは、酸を摂取した時点ですぐに歯が溶かされてしまうということです。
う蝕の場合はバイオフィルムを介してpHが下がるため、脱灰しても再石灰化の余地があり、緩やかに歯が溶けていきます。
しかし酸蝕症の場合は、いきなりpHの酸性度が高い状態のため、再石灰化する時間はありません。
触れた時点で、急激に歯が溶かされてしまうのです。
ではここで、酸蝕症の症例を見てみましょう。
酸蝕症の場合、凹みやエナメル質の薄さ、あな・象牙質の凹み・短小・舌側エナメル質喪失・歯のかけなどが認められます。
それぞれのケースについて前歯部・臼歯部咬合面と症例写真を紹介されており、非常にわかりやすい解説です。
またインレーの場合は、まるでインレーが浮き上がってきたかのように溶け出し、これはCRでも同様だと伊藤先生は述べています。
他にも臼歯部の頬側に現れる酸蝕症の症例もご覧いただけるため、ぜひご確認ください。
このような症状は、酸蝕症がある程度進んだ段階で見られるようになります。
しかし酸蝕症の方のほとんどは「知覚過敏」を主訴に来院されると先生はおっしゃっています。
このような初期の段階で酸蝕症を見つけることは、原因を突き止めることにより歯を守ることに繋がるはずです。
そのために酸蝕症を見定める目を養うことは、私たちにとってとても重要なことだと言えるのではないでしょうか。
症例写真から学び、ぜひ今日から臨床に生かしてください。
再生時間 18:11
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