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第13回:次世代の歯科医師に贈る、ジェネラリスト育成講座《内山徹哉先生》

2020年11月4日(水)

今回は顎顔面を見据えた全顎治療についてのプレゼンテーションです。
全顎治療における顎顔面と補綴とのかかわりについて考慮すべきことを詳しくご説明していただいています。

Part1: 診査・コンサル
Part2: プロビジョナル製作

Part1 診査・コンサル

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顎顔面を見据えた全顎治療について、実際の症例を通して詳しく解説していただきました。
約10年前に全顎補綴治療を受け、その後からうまく噛めなくなったという患者さんです。
#34が最近脱離し、紹介で内山先生のクリニックに来院されました。

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治療前にまず問題点をしっかりと洗い出すことが重要になります。
また、太いポストが入っている歯などは再治療をすると保存不可だという判断になる場合も考えられます。
そういった可能性を事前に患者さんにコンサルテーションで伝えておくことがトラブルを防ぐことにもつながります。

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ガイドの状態や干渉となっている部位がないか、顎関節やICPとCRのズレの有無などもチェックしていきます。

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実際に洗い出された問題点です。

①左下の欠損、左下の欠損による左上の挺出
②ウィルソンカーブの不調和による咬合干渉
③#13歯肉ラインの不調和
④下顎前歯の色調の不調和
⑤#34のクラウン脱離、フェルールの不足

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これらを考慮し、まず理想とする治療計画を患者さんに提示します。

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そのうえでこの患者さんはまず左側の問題のみの解決を希望されました。

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治療進めていると#44が脱離、また#55に痛みを訴えるようになりました。
これらのことは右側のガイドがグループファンクションであることが関与していると思われます。
実はコンサルテーションの時点で内山先生はこのことを患者さんに指摘済みです。
あらかじめ問題として指摘していたことが実際に口腔内のトラブルとして現れてくると、患者さんはより信用してくれるようになります。

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結局この患者さんは内山先生が当初提案していた計画での治療を希望されました。
最初のコンサルテーションがいかに大切か再認識させられますね。
全顎的に咬合再構成を行うとなると、咬合高径、上顎中切歯の切縁、そして咬合平面をいかに決めるかということがポイントになります。

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約10年前の全顎治療後からうまく噛めなくなったという病歴からも、そのときに設定された咬合高径などにエラーがあった可能性が読み取れます。
そこで顎顔面の分析から現在の歯列・咬合の問題点を考えていきます。

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セファロ分析や下顔面高のタイプの診断をもとに、適切な咬合高径、咬合平面、切縁の位置を設定していきます。

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Part2: プロビジョナル製作

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今度はそれらの診断をワックスアップに落とし込んでいきます。

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そのワックスアップをプロビジョナル製作に反映していきます。
プロビジョナルもセットのときにズレをおこさないことが重要になります。
プロビジョナルをセットするプロトコールについても詳しく解説していただきました。

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プロビジョナルセット後は再評価をしていきます。
セファロ分析で、プロビジョナルセットにより意図していた結果が得られているかのチェックをします。
CT、MRIを用い顎関節の診査を行い、問題がないことを確認していきます。

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製作したプロビジョナルをファイナルにしっかり反映させるためのメソッドについても詳しく解説していただきました。
主訴はすべて改善され、患者さんも大変満足しています。

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内山先生はメインテナンスの重要性についても強調されました。
コンサルテーションの時点でメインテナンスの重要性についても患者さんによく理解させておく必要があります。
5年経過時の状態ですが、トラブルなく経過しています。

特に全顎的な治療ではしっかりとした診査・診断を行い、指標を持って慎重に治療を進める必要があります。
実際の症例を通して何を考え、どういったことに注意しながら治療を進めていくかのポイントがわかりやすく解説された内容になっています。
是非ご覧ください。


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